●アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は、日本勢で唯一勝ち残っていた神戸が韓国の蔚山現代に破れて準決勝で敗退。残念である。ウイルス禍のため、今大会はホームアンドアウェーではなく、カタールにチームが集まっての集中開催となった。一足先に敗退したマリノスの競技運営担当者でありACLでチームマネージャーを務めた矢野隼平氏が帯同記を書いており、これが実におもしろい。われわれファンは試合にばかり注目してしまうが、その裏側にある運営の様子が伝わってきて、マリノス・ファンならずともサッカー・ファンは必読。
ACL帯同記(Football ZONE) 第1回 / 第2回 / 第3回 / 第4回
●結果的に20日間にわたった遠征は、最長1か月を見すえてスーツケース約220個を持参するという大掛かりなもの。食事をどうするか、練習をどうするか、PCR検査、メディア対応、移動、スケジューリング、試合ごとのユニの配色、ロッカールームの準備と後片付け等々、仕事は果てしなくあって、選手だけではなく、マリノスというファミリーで一丸となって試合に臨んでいる様子がよくわかる。同じ大会に参加しているFC東京から炊飯器を借りて、スタッフでおむすびを握った話とか、故・松田直樹のユニを帯同していた話とか、たまらない。
●音楽業界と少し似てるな、とも思った。舞台に立つ人だけじゃなくて、その向こう側に仕事のできる優秀な人たちが大勢いて、みんながギュンギュンと動いている様子が。