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January 1, 2021

謹賀新年2021

謹賀新年●静かな年末年始がやってきた。だれかに会いに行くこともないし、外食もしない。先日、凧が売れているというニュースを目にしたが、やっぱり。実はワタシも凧揚げする気満々で、緊急事態宣言の際に購入した凧がスタンバイしてるのだっ!
●昨年、特に緊急事態宣言で音楽界がストップしていた頃、自分は仕事を通じていろいろな方々の厚意に預かったという自覚がある。それぞれさりげない形で差し出されたものであるが、大きな励みになった。感謝するほかない。2020年はウイルス禍で大変な年だったけれど、振り返っていちばん心に残っているのは、そのこと。
●昨日、都の新規陽性者数がいきなり1300人を突破。まだウイルス禍は続くが、当初に比べるといくらか先のイメージがわいてきた。半年前の時点では、この生活様式は今年で終わるかもしれないし、一生続くかもしれないと思っていた。今だってなにも確実なものはないが、ありそうな近い将来はたとえばこんなシナリオだろうか。まずこの冬、感染拡大が止まらずに緊急事態宣言に類するなんらかの強い措置が打ち出される。その後、ワクチンの接種が優先順位に沿って段階的に始まる。自分が打てるのは今年の秋か冬くらいか。ワクチン接種が始まってもユニバーサルマスクなどは続くだろうが、会食や旅行などは戻ってくる。おそらくワクチンは定期的に接種を続けるものになる。そして、2022年か23年頃、ウイルス禍の反動として、大旅行ブーム、大会食ブームがやってくる。人々の気分は開放的になり、消費活動が活発化し、投資が拡大し、80年代後半から90年代前半までを思わせるような21世紀版バブル経済がやってくる。現在、感染拡大に反して日本の株価が著しく上昇しているのは、そこまでの期待を先取りしたものだと理解できる。地上げが横行し、高級車が飛ぶように売れ、ディスコブームが再来し、首都圏に屋内スキー場が誕生し、国立競技場で「アイーダ」が上演され、人手不足が深刻になり、就職内定者は豪華クルーズ船に乗せられる。そんな浮かれた雰囲気のなかで、社会全体で引きこもっていた2020年を懐かしく思い出す者もいる……かもしれない。