●2月といえばバレンタインデー。この時期、クラシック音楽系のあれこれの企画で「チョコレートにちなんだ名曲を集められないかなあ」と考えることがよくあったのだが、実はチョコレート名曲はあまりない。いちばん有名なのはチャイコフスキー「くるみ割り人形」に登場する「チョコレート スペインの踊り」。チョコレート名曲界のエースといってもいい。やや惜しいのは、音楽そのものに「スペイン感」はたっぷりあるが、「チョコレート感」は微妙。スイートでもなければビターでもなく、ミルキーでもない。
●で、すでに2番手からネタに困るくらいなのだが、チョコレートをチョコレートたらしめているのはなにかといえば、それはカカオ。リヒャルト・シュトラウスのバレエ音楽「ホイップ・クリーム」第1幕には「カカオの踊り」が登場する……。が、この曲、めったに演奏されない。「ホイップ・クリーム」自体、知名度が低いうえに、組曲版には「カカオの踊り」が含まれないので、全曲録音でなければ聴けない。そして、Spotifyを検索してもDENONの若杉弘指揮都響の録音しかヒットしない。貴重。手作りチョコに向けてカカオを育てている人は必聴。
●3番手を無理やり挙げるとすれば、アンドレ・プレヴィンの「チョコレート・アプリコット」という曲がある。パールマンのヴァイオリン、プレヴィンのピアノによる録音がある。ただ、これはジャズじゃないのといわれれば、まあそうなのだが。この曲、どうして「チョコレート・アプリコット」と名付けられているんでしょ。
●というわけで、上記3曲を集めた「チョコレート・プレイリスト」を以下に。この週末にご活用ください。
February 12, 2021