●週末の14日、日本サッカーの4部リーグに相当するJFLが開幕。注目の新生・東京武蔵野ユナイテッドFCは武蔵野陸上競技場でラインメール青森と戦った。「東京武蔵野ユナイテッドFC」、いまだこのチーム名になんともいえない居心地の悪さを感じるのだが、これは武蔵野市の東京武蔵野シティFC(JFL)と文京区の東京ユナイテッドFC(関東1部リーグ)が合併したチーム。そんな奇妙な合併がありうるのかという疑問はちっとも解消していないものの、ともあれリーグ戦は開幕してしまった。
●JFLのレベルは案外、高い。下からJFLに上がろうとするとかなりの難関になる。だから関東1部のチームが合流したところで、はたしてそこに戦力になる選手がいるものか……などと勝手な予想をしていたら、なんと、先発メンバーの半数近くが元東京ユナイテッド所属の選手たちだった! これにはびっくり。まさに混成軍の様相であったが、どちらかといえば守備陣には武蔵野の選手、攻撃陣には東京ユナイテッドの選手が目立つ。個々の選手について言えば、かなり期待できそうな選手もいれば、微妙な選手もいたが、一試合だけを見て決めつけるのもフェアではない。結果的にチームが活性化されたともいえるし、そもそも武蔵野だって昨季まで順風満帆には程遠かったわけで、今はこの合併劇を見守るのみ。とにかく今季は降格がある。「合併した結果、関東1部リーグに降格した」のでは、元の木阿弥なわけで。
●で、試合は青森に先制されるも、武蔵野が逆転し、しかし最後の最後に追いつかれて2対2で終わるというスリリングな展開になった(ハイライト動画)。守りのチームだった武蔵野としては意外な打ち合いに。池上監督が指揮を執るのは昨季と同じだが、守備面ではより前線からプレスをかけるようになったと感じる。今時の言葉でいえばストーミングを仕掛けて、なるべく前でボールを奪って、ショートカウンターを狙う姿勢があったんじゃないだろうか。ただし、これはうまく機能していない。プレスを簡単に交わされる場面が多く、結果として自陣にできたスペースを突かれてピンチを招くこともしばしば。そもそも一対一の勝負でもう少し優位に立てないとしんどい。
●この日は風が強く、後半は極端な向かい風になった。風が強くて、ゴールキックがハーフラインを越えられない。ゴールキックの度にはらはらする。この逆風を巧みに利用して前線に早めにボールを放り込むのが功を奏して2点目が生まれたが、逆に最後は追い風に乗ったクロスボールにやられて同点弾を浴びた。
●観客数は674名。新生チームの門出としては寂しいが、現在緊急事態宣言中ということもあって制限が多く、やむを得ないか。なお、同日、マルヤス岡崎に感染者が出たことからマルヤス岡崎対ティアモ枚方戦が中止になった。リーグ全体でPCR検査を実施した二日後、選手本人から37.0度の発熱と嗅覚障害の報告があり、検査結果も陽性と判明、その後、チーム全員が再度PCR検査を受けるという流れ。本人以外の全員が陰性だったが、それでも試合はできなかった。JFLレベルであっても、サッカー協会はしっかりしているなという印象。
March 17, 2021