March 22, 2021

METライブビューイング レハール「メリー・ウィドウ」

●19日は昨年7月以来の東劇でMETライブビューイング。演目はレハールの「メリー・ウィドウ」。といっても、今、ニューヨークのメトロポリタン・オペラはウイルス禍によりシーズンまるごと休止中。なので、過去の舞台から選りすぐりの名作がアンコール上映されている。本来、ニューヨークの最新の舞台をいち早く映画館で楽しめるはずだったMETライブビューイングが、今や豪華絢爛たる過去にタイムスリップするための貴重な機会となっている。しかも、底抜けに陽気で、あきれるほどゴージャスな「メリー・ウィドウ」を鑑賞するという場違い感。でもオペラが浮世離れしていて、なにか問題でも?
●今回の「メリー・ウィドウ」は2015年1月の舞台。トニー賞演出家スーザン・ストローマンの演出、指揮はアンドリュー・デイヴィス、歌手陣はルネ・フレミング、ケリー・オハラ、ネイサン・ガン、トーマス・アレン、アレック・シュレイダー他の豪華布陣。ブロードウェイのトップスター、ケリー・オハラがオペラデビューを果たして話題を呼んだ公演。上に掲げた予告映像でもわかるように、本気のメトがとことんリソースをつぎ込んだ華やかな舞台で、ダンス・シーンの晴れやかさなど突き抜けている。舞台上至るところで濃厚接触だらけ、お客さんも大歓声。こんなに賑やかだった劇場が今、活動を休止しているなんて……と、つい複雑な気分になる。
●英語上演。歌手陣はみな感心するほど芸達者。もっとも、ルネ・フレミングはハンナ役には成熟しすぎていて違和感も。カミーユ役のアレック・シュレイダーが好き。もう10年以上前にメトのオーディション映画で優勝したのを見て、甘くて透明感のある声で、品もあってカッコよくて、すごいスターになるのかなと期待したんだけど……。第2幕から第3幕への転換が鮮やか。幕を閉めず、妙なところからダンサーたちが出てきて踊りだして「あれ?」と思ったら、さーっと後ろの舞台が動いて、いつの間にか豪華なマキシムの店内になっていた。あの場面、もう一回見たくなる。
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●緊急事態宣言が解除された。都の新規感染者数を見ても、宣言の効果は絶大だったが、いったん飽和状態になった後はゆるやかな上昇に転じている。宣言解除で感染拡大が加速すると予想されるが、タイムラグが2週間とすると、影響が数字に表れるのは4月5日頃から。今月末に感染者の少ない地方に出張する予定なので、だれにも頼まれていないが事前に10日間、外出を控えることにする(散歩や最低限の買い物を除いて)。

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