●16日は東京芸術劇場で鈴木雅明指揮NHK交響楽団。前半にハイドンの交響曲第95番ハ短調とモーツァルトのオーボエ協奏曲ハ長調(吉井瑞穂)、後半にシューマンの交響曲第1番変ロ長調「春」。ハイドンは序奏なしの冒頭主題がいきなり「ズン!」と気迫を込めた音で始まったのが印象的。モーツァルトでは吉井瑞穂のオーボエ独奏が甘美。陰影に富み表情豊かで、深い味わいのモーツァルト。アンコールはトマー「神ともにいまして」。後半の「春」はこれまでに聴いた同曲の演奏のなかでももっとも熱量の高い演奏で、前へ前へと猛進するシューマン。特に第4楽章は速かった。この勢いなら曲が終わるや否やの大喝采でもよかったと思うのだが、客席はそう感じた人と行儀よくワンテンポ置きたい人の間で意見が分かれたようで、中途半端な感じになってしまった。ともあれ、心から音楽の喜びに浸れた公演。
●この日は18時開演だったので、終演が20時前。芸劇前の池袋西口公園では大勢の人が腰かけていて、屋外飲み会の人も多い様子。自分も開演前にパンとコーヒーの軽食をここで食べた。演奏会がある晩は屋外で軽食をとるのが基本パターンになっている。東京の新規感染者数は着々と増え続け、変異株の脅威も盛んに伝えられており、いつ3度目の緊急事態宣言が出てもおかしくない。都に蔓延防止等重点措置が適用されたのは4月12日なので、2週間のタイムラグがあるとすると、その効果があらわれるのは26日頃。宣言をそこまで待つのかどうか?
April 19, 2021