April 23, 2021

東京・春・音楽祭 リッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラ

●22日はミューザ川崎でリッカルド・ムーティ指揮東京春祭オーケストラ。曲はモーツァルトの交響曲第35番「ハフナー」と同第41番「ジュピター」。先日「マクベス」で東京・春・音楽祭の歴史に残るような記念碑的名演があったが、その余韻を一段と深めるためのボーナスステージといった感。短いプログラムだが休憩あり。会場に向かう途中で山手線と京浜東北線が止まって焦ったものの、地下鉄と東海道線を使って問題なく川崎へ。今はスマホが大都会の交通パズルを瞬時に解いてくれる。
●東京春祭オーケストラは各オーケストラの若手奏者たちが中心。精鋭ぞろいだけあって、とてもうまい。響きがきれい。コンサートマスターは長原幸太。弦は12型で通常配置。ムーティなのでぜんぜんHIPではなく、20世紀ウィーン流モーツァルトの延長にある豊麗でしなやかなモーツァルト。これまでムーティはウィーン・フィルとのコンビで生気にあふれたモーツァルトを聴かせくれているが、そこからもう一歩も二歩も角が取れたような柔和な表現が印象的。年輪を重ねても音楽が重くなったり枯れたりせずに、みずみずしさを保っているのがムーティ。アンコールなし、早めにカーテンコールを切り上げたが、場内の拍手は止まず、スタンディングオベーションとムーティのソロ・カーテンコールに。来日してくれた巨匠への感謝の念も大いに込めつつ。
●それにしてもムーティは背筋がまっすぐ伸びていて、まもなく80歳を迎える今もなおカッコいい。あのオーラはなんなのか。
●報道によれば東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に緊急事態宣言が発出されるそう。期間は25日から5月11日までだという。演奏会はどうなるのだろう。
●不思議なことに、現時点でオリンピックを中止/延期しようという話は出ていない。いま気になるのは、J.S.バッハやC.P.E.バッハよりもI.O.C.バッハ。

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