●25日はオンラインで「反田恭平 Japan National Orchestra株式会社 設立記者会見」。登壇者はピアニストの反田恭平とDMG森精機株式会社の川島昭彦専務執行役員。反田恭平と17名の若きソリストたちによるジャパン・ナショナル・オーケストラがDMG森精機株式会社とのパートナーシップにより株式会社化されると発表された。社名はJapan National Orchestra株式会社、本社を奈良市に置き、川島昭彦代表取締役会長、反田恭平代表取締役社長のもと、反田自身と17名の音楽家により構成される。音楽家自らが株式会社を設立し、活躍の場を創出して持続的な発展を目指す。具体的には奈良と東京で年に2回の定期公演を開くほか、全国ツアーや個々のメンバーのリサイタルシリーズを開催する。また、オーケストラおよびメンバーの音源制作と配信、会員制オンラインサロン「Solistiade」を開設する。
●反田さん「世界的に大変な時代に突入しているなかで、より音楽に没頭したい、音楽に人生を捧げたいと考える人を集めて、そのお手伝いをしたい。人生最大の夢は2030年に学び舎を作ること。ゆくゆくはその学校の専属オーケストラにしたい」「オンラインサロンは簡単にいえばファン・クラブ兼クリニック。ゆくゆくは音源に対するワンポイントアドバイスなど、赤ペン先生みたいなこともやってみたい」「奈良は全国でももっともピアノ保有率が高い。将来の学び舎にふさわしい自然と歴史に恵まれた土地」。奈良はDMG森精機創業の地。すでにDMG森精機がネーミングライツを取得している「DMG MORI やまと郡山城ホール」が使用される。
●会見に先立って10分間、リハーサルが公開されるということで見てみると、反田指揮でチャイコフスキーの弦楽セレナードの第1楽章が演奏された。立奏スタイル。名手ぞろいでアピール度満点。配信にあたっては、eplusの高画質チャンネルと質疑応答用のZOOMを併行して使用。ZOOM側は少なくとも60名以上が参加していて、質疑応答も活発。「会社組織なので、楽員は社員となる。給与も支払われる。結果的に音楽に専念できる。当然、単体で黒字を目指していく。どんどん売り上げを増やして成長を目指すといった事業とは異なるが、黒字化は必要」(川島氏)。株式会社化という一点だけをとっても、従来の発想とは異なる新しいオーケストラの形、音楽活動の形が生まれつつあると感じる。
May 26, 2021