●18日はサントリーホールで尾高忠明指揮東京フィル。ラフマニノフ・プログラムで「パガニーニの主題による狂詩曲」(上原彩子)と交響曲第2番。同一プログラムをオペラシティ、サントリーホール、オーチャードホールと3日間にわたって開く東フィル方式で、その2日目にあたる公演。前半の「パガニーニの主題による狂詩曲」はソリストによる造形美とエモーションのバランスが絶妙。この曲は有名な第18変奏の後が楽しいと思う。アンコールはやはりラフマニノフで、10の前奏曲Op.23-4。後半の交響曲第2番はマエストロの十八番。東フィルの明るく輝かしいサウンドで築かれた壮麗なスペクタクル。といっても、ロシア的な濃厚さや汗だくのロマンティシズムとは一味違う、ノーブルで成熟したラフマニノフ。梅雨の湿気を吹き飛ばすかのよう。
●たまたまだけど、この週は3回、サントリーホールに通うことになった。この日の東京はまだ緊急事態宣言中だったが、6月20日で解除されることに。ただし、東京の新規陽性者数の7日間移動平均を見ると、6月15日に底を打って、また増加に転じているようにも見える。遠からず、次の緊急事態宣言があるのかも。
June 21, 2021