●まるでウイルス禍などなかったかのように盛り上がるEURO2020。客席制限は会場ごとに違っているようだが、強烈なのはハンガリー。6万人をフルに入れている。そこには政治的な理由も透けて見えるわけだが、それはともかく、各チーム3試合を戦ってグループリーグを終えた感想を一言でいうならば、ずばり「拍子抜け」。第2戦までは波乱の予感があった。ドイツはどうなる? スペインはどうした? ところが終わってみると、ほぼ予定調和的に残るチームが残った。
●これは大会方式のせいでもある。全24チームが参加して、決勝トーナメントに進むのは16チーム。つまり、わずか8チームを落とすために、36試合ものグループリーグを戦っているわけだ。かつてのワールドカップ(フランス大会以前)と同じ方式。いちばん厳しいといわれたグループFだが、4か国の内、フランス、ドイツ、ポルトガルが決勝トーナメントに進み、ハンガリーが落ちた。そりゃそうだね……。番狂わせがあればおもしろいというものではないが、3位でも勝点次第で先に進める方式は、今となってはスリルを欠く。
●ともあれ、決勝トーナメントになれば一発勝負、ぐっとヒリヒリした展開になるはず。ラウンド16の大一番はイングランドvsドイツか。決勝戦はイングランド対イタリア対を期待。聖地ウェンブリーで決勝を迎えるイングランドと、無敗記録を続けるイタリアというのが最高に盛り上がる組合せでは。
●久々に各国の人口あたり新規感染者数の7日移動平均を見る。多くの欧州の国は日本と同水準まで落ち着いているが、なぜかイギリスは急カーブを描いて上昇中。ワクチン接種率で先行するイギリスだが、それでも2回目接種完了率は47%。ウェンブリーでの決勝と準決勝には6万人以上の観客を入れるとしている(要陰性証明書または14日前までの2回目ワクチン接種完了)。陰性証明書というのはなんとも頼りない気がするのだが、はたして。
June 25, 2021