June 29, 2021

狂熱のスタジアム EURO2020 ラウンド16 オランダvsチェコ、イタリアvsオーストリア

●上の動画はハンガリーで開催されたEURO2020 オランダ対チェコの一戦。見てほしい、この満員のスタジアムの熱狂を。プスカシュ・アレーナの6万席が解放され、客席を埋め尽くしたファンたちはウィルス禍以前とまったく同じスタイルで大声をあげて観戦している。マスク姿は見当たらない(上半身裸の男たちならたくさんいる)。今大会は11か国で分散開催されているが、感染対策は各都市に任されているようで、ハンガリーがいちばんフリーダム。物事にはいろいろな考え方がある。
オランダ●以下、本日分の試合結果バレなしで、昨日までの試合を軽く振り返っておく。ラウンド16、オランダ対チェコ戦は気温31℃での試合。暑すぎる。個の力量で勝るオランダだが、前半はお互いにチャンスの乏しい膠着した展開に。後半、オランダのデ・リフトがゴール前の守備で相手と競り合った際に、倒れながら手でボールを動かしてしまう。VARチェックの結果、故意に手を使って決定機を防いだと判断されてレッドカード。VARがなければ主審はなかなかレッドを出せない場面だろうが、妥当な判断ではあった。これで数的優位となったチェコは、セットプレイからホレシュが決めて先制。さらに今大会のスター候補、シックが追加点を奪ってチェコが勝利。オランダは全体に体が重そうで、競り合いでの迫力ももうひとつ。オランダ 0-2 チェコ。
イタリア●同じくラウンド16で、イタリア対オーストリア。音楽界とは異なりサッカー界では影の薄いオーストリアだが、優勝候補イタリアと堂々と渡り合った。オーストリアの大男たちは体格で相手を上回る。しかしハイボールで勝負するのではなく、果敢にパスを回して地上戦を挑む。細かい足技に頼らず、シンプルな中短距離のパスをテンポよく回すスタイル。ただ、キーパーとディフェンスラインのパス回しにハラハラすることもしばしば。後半、オーストリアが先制ゴールを決めたかと思ったが、VARでオフサイド。Jリーグでもそうだが、VAR前提の「オフサイドディレイ」がややこしい。現代サッカーの新たな光景。一進一退が続き、スコアレスのまま延長戦に。ここでイタリアが勝負強さを発揮して交代出場のキエーザが先制ゴール。続いて同じく交代出場のペッシーナが追加点。イタリアはベンチメンバーも含めて全員で戦っている。決勝までの道筋が見えているかのよう。オーストリアはコーナーキックからカライジッチが1点を返した。敗れたものの、もはやアウトサイダーではない。見ごたえのあるゲーム。イタリア 2-1 オーストリア。

ショップ