July 8, 2021

笑顔と抱擁 EURO2020 準決勝 イタリア対スペイン

●さて、EURO2020は準決勝の2試合が行われた。今朝の2試合目の結果バレは避けるとして、1試合目のイタリア対スペインを振り返っておこう。会場はロンドンのウェンブリー。夜の試合でもあり、気温は15℃という涼しさ。サッカーには最適。ここまでともにパスをつないで自らゲームを組み立てる戦い方をしてきたチーム同士の対戦で、序盤はよりハイテンションのイタリアがゲームを支配。イタリアはスピードでスペインを上回る。ところがイタリアペースだったのは最初だけで、次第にスペインのボール・ポゼッションが高まり、イタリアは守ってから速攻を仕掛けるしか手がなくなってしまう。イタリアも十分にうまいのだが、パス回しになるとやはりスペインに一日の長がある。
●イタリアは序盤の勢いが押し返された後、現実的な戦い方にスッとシフトするのがさすがで、60分、カウンターアタックからこぼれ球を拾ったキエーザが右足でシュート、これがファーサイドのゴール右隅に弧を描いて突き刺さるビューティフルゴール。目論見通りの先制ゴールで、イタリアは守備への意識を強めて逃げ切り体制に。次々と交代カードを切って攻勢を強めるスペイン。ようやく80分、モラタがダニ・オルモとの鮮やかなワンツーから中央突破、キーパーとの一対一を冷静に決めて同点ゴール。1対1で、延長戦へ。スペインは3試合連続の延長戦だ。
●延長戦もスペインがボールを持ち、イタリアがカウンターを狙うという展開で、決着つかずPK戦へ。コイントスの場面でイタリアのキャプテン、キエッリーニがめちゃくちゃ陽気で、ニコニコしながらスペインのジョルディ・アルバをつついたり抱きしめたりしている。ジョルディ・アルバのほうはムスッとしていたが……。おそらくキエッリーニはコイントスに勝って、先攻を選んだはず。先攻勝率は60%。ところが一人目のロカテッリが失敗してしまう。これで先攻の有利など軽く吹き飛んでしまった……と思ったら、スペインの一人目、ダニ・オルモも失敗! その後は成功が続き、スペインの4人目、モラタがドンナルンマに止められる。イタリアはジョルジーニョが職人芸で易々と決めて、決勝進出。試合内容はスペインが勝っていたかもしれないが、イタリアの団結力とドンナルンマのセーブ力がそれを上回った。
●PK戦の前に両ゴールキーパーが熱い抱擁を交わしていたのが印象深かった。そう来るんだ……と感心。

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