●オリンピックは決勝トーナメントに入るといきなり準々決勝なのだった。U-24ニッポンvsU-24ニュージーランド、まず相手がニュージーランドだというのが驚き。グループリーグで南ア、メキシコ、フランスと対戦してきて、まさかのニュージーランド。フル代表のランクでいえば、これまでの3戦のほうがよほど強い相手。実際、ニュージーランドは韓国相手に1勝したおかげで決勝トーナメントに滑り込めたようなもの。ニッポンはフランス相手に4対0で勝ったのだから、もうこれは結果が見えている……。
●と思いきや、ぜんぜんそうはならないのがサッカー。ニュージーランドは鍛えられた好チーム。ニッポン相手に守備ブロックを敷いて守ってくるだけではなく、前線から精力的にプレスをかけてくる。選手の連動性が高く、システマティックな印象。しかもフィジカルの強さがあり、ニッポンは中盤でなかなか余裕を持ってボールを持てない。特に後半はニュージーランドが押す時間帯もあって、どちらにゴールが入ってもおかしくない展開に。久保、堂安を中心にニッポンの攻撃陣も決して悪くはなかったのだが、蒸し暑さもあってか時間が進むにつれてアイディアが出なくなった感。延長戦は消耗戦。交代枠が6人あっても、やはり両チームとも動きは如実に落ちるものだというのが発見。0対0。
●PK戦は不利な後攻だったが、キーパー谷晃生のスーパーセーブが飛び出して勝利。ニッポンは攻撃の選手がずいぶん交代してしまっていたのでだれが蹴るのかと思ったら、上田綺世(途中出場)、板倉滉、中山雄太、吉田麻也の順。上田以外はディフェンスの選手だらけ。これは監督が決めた順番ではなく、その場でキッカーを募って決めたそう。こういうところでさっと手を挙げる上田綺世は大したもの。5人目はだれが蹴る予定だったんだろう。そして、この日の吉田麻也はらしからぬミスも多く、どこか不安定に見えたのだが、PKは度胸で決めてくれた。最後は技術よりもメンタルなのか。
August 2, 2021