●5日は「クラシック・キャラバン2021 クラシック音楽が世界をつなぐ~輝く未来に向けて」コンサート全国ツアーの記者発表。会場は東京オペラシティリサイタルホールだが、リモートで参加。YouTube配信。一般社団法人日本クラシック音楽事業協会が「文化庁 大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」の一環として開催する全国ツアーで、組織の垣根を越えて総勢約250名以上の演奏家たちが参加する。会見には日本クラシック音楽事業協会入山功一会長、出演者を代表してピアニスト仲道郁代、アンバサダーの檀ふみ(俳優)、ロバートキャンベル(早稲田大学特命教授)、メディカル・アンバサダーの亀田総合病院集中治療科部長の林淑朗の各氏が登壇。
●プログラムは3種類で、札幌から沖縄まで全国13か所で19公演が開かれる。大ホールでのオーケストラ公演である「華麗なるガラ・コンサート」(11公演)、小ホールでのストラヴィンスキー「兵士の物語」(4公演)、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」(4公演)。いずれも司会入り。オーケストラは「スーパー・クラシック・オーケストラ」として今回の公演のために組まれ、ソリストやフリーランスの奏者が中心となるそう。出演者が膨大なので紹介しきれないが、「華麗なるガラ・コンサート」での指揮は広上淳一、沼尻竜典、高関 健、曽我大介、円光寺雅彦、田中祐子と公演ごとに異なり、それぞれの公演で仲道郁代をはじめ複数のソリストが登場する。有名曲が並んで最後にベートーヴェン「第九」終楽章が演奏されるというのが基本形。幅広い層の聴衆が対象となっている模様。「兵士の物語」と「動物の謝肉祭」も出演者が多岐に渡り、それぞれ日本のトップレベルの奏者たちが出演する。
●入山会長「ソロやフリーランスの演奏会に演奏機会を創出し、事業者への仕事を作り出すと同時に、これまであまりクラシック音楽になじみのなかった方にも足を運んでもらいたい。クラシック音楽業界が結束してコロナ禍を乗り越えたいと思っている。文化庁の補助金を得て協会がこういった企画を主催するのは初めてのこと。文化庁に感謝したい」。
●仲道郁代「コロナ禍で演奏会がなくなった時期、大きな不全感を感じた。音楽は聴く人がいて初めて成立するものと改めて感じた。音楽が人の心と心をつなぐ、そんな祝祭的な空間がコンサート。今回、多くの会場で祝祭的な空間をみなさんと共有したいと願っている」
●最初の公演は9月3日と4日、沖縄・シュガーホールでの「動物の謝肉祭」「兵士の物語」。「華麗なるガラ・コンサート」は9月14日の愛知県芸術劇場コンサートホールがスタート。12月まで続くツアーなので、その間、感染状況もどんどん変化していくと思うが、無事の開催と公演の成功を願う。
August 6, 2021