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August 27, 2021

反田恭平 ピアノ・リサイタル 2021

●26日夜はサントリーホールで反田恭平ピアノ・リサイタル。市松模様の客席で、同日に昼夜2公演を開催。プログラムはオール・ショパン。これから迎えるショパン・コンクールを予告するかのよう。プログラムは前半にノクターン第17番ロ長調Op.62-1、ワルツ第4番ヘ長調Op.34-3、マズルカ風ロンド ヘ長調Op.5、バラード第2番ヘ長調、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ、後半に3つのマズルカOp.56、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」ということだったが、なぜか前半にスケルツォ第2番も演奏された。
●華やかな前半もさることながら、より魅了されたのは後半。3つのマズルカOp.56の玄妙さを噛みしめる。作品の味わい深さという点でも白眉か。ソナタ第2番は集中度の高い演奏で、大きなドラマが作り出される。第1楽章の鬱屈した情熱、逸脱気味の官能性、第3楽章の鐘の音のような葬送行進曲と蒼穹を思わせる澄んだ中間部との音色の対比、終楽章の滑らかで柔らかい謎めいたエピローグ。久々にこの曲を堪能できた。戯画的にならない葬送行進曲。楽章間でほとんど間を取らずに一気に。アンコールにショパンのラルゴ、さらに拍手を待たずに続けて英雄ポロネーズ。このラルゴ、知らない曲だったので、なんだかショパンらしくないなと思ったんだけど、帰宅してから確認。風変わりな曲。
●客席は50%の範囲で盛況。時節柄ブラボーは出ないが、スタンディングオベーション多数。本来なら満席のお客さんが熱狂するところ。まだ緊急事態宣言は続く。
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●宣伝を。ONTOMOの連載「神話と音楽Who's Who」第3回でネプチューン/ポセイドンについて。