September 8, 2021

中国vsニッポン代表@ワールドカップ2022カタール大会 アジア最終予選

中国代表●さて、ワールドカップ最終予選の第2戦は対中国代表。初戦、ホームでオマーン相手に完敗していきなり厳しい展開になったニッポン代表だが、第2戦はブラジルからの帰化選手を擁する中国が相手。これは本当に勝たないと苦しくなる試合。なにしろ、この後、ニッポンはサウジアラビア、オーストラリアと最強国と連戦しなければならない。救いなのは中国ホームの試合であるにもかかわらず、中立地カタールのドーハでの開催となったこと。ウイルス禍により中国が国際試合の開催を認めていないため。
●で、森保監督はメンバーを少しだけ変えてきた。といっても、ショック療法的な変更はなし。GK:権田-DF:室屋、吉田、冨安、長友(→佐々木翔)-MF:遠藤航、柴崎-伊東(→鎌田)、久保、古橋(→原口)-FW:大迫。前の試合ではフィジカルコンディションで大きな不利を感じたが、この日のニッポンは動きがよく、パススピードも速い。前半から一方的にボールを回す展開に。中国は早くからカタール入りしているのだが、初戦のオーストラリア戦に完敗。どういう戦い方をするかと思ったが、なんと、5バックで中央を固めてきた。中央を厚くするのはオマーンと同じだが、前からプレスをかけてこない点が決定的に違う。ニッポンはサイドの選手がほとんどフリーでボールを持てるという、近年のサッカーではめったに目にしない光景が出現。しかし、いくらサイドの選手がフリーでも、この中央の厚さではクロスを放り込んでもチャンスにはならない。パスをていねいに出し入れしながら相手のディフェンスをずらし、作ったスペースを突くという戦いになる。有効なシュートがなかなか打てないのだが、なにせ中国のカウンターがほとんど発動しないので、オマーン戦とは違って楽な展開ではある。
●前半40分、ようやくゴールが決まる。伊東が右サイドで一対一の勝負を仕掛け、スピードでワンシェンチャオを置き去りにして低いクロスを入れると、飛び込んできた大迫がワンタッチで合わせてゴール左に鮮やかに決めた。その直前、大迫は外すほうが難しいだろうというチャンスで失敗したばかり。簡単すぎると決まらないけど、難しいと決まるフォワードあるある。
●当然、後半になれば中国は戦い方を変えてくると思ったのだが、1点ビハインドでもやはり5バックで守ってくる。そして、後半17分に一気に3枚替え。4バックに変更し、エウケソンとアランの2トップに。中国のリティエ監督はここで攻撃のスイッチを入れる狙いだったのだろう。ようやく中国の攻撃が増えてノーマルな試合になった。できればニッポンはそこで追加点を取ってしまいたかったのだが、次第に前に出る力を失い、終盤は一手もまちがえられない詰将棋的なヒリヒリした展開に。中国は自陣からのフリーキックでもロングボールを前線に入れて、屈強な帰化選手を頼る。ニッポンはアディショナルタイムにキーパー権田が倒れ込むなど、中東ばりの時間の使い方も披露して、1点を守り切った。中国 0対1 ニッポン
●ニッポンでよかったのは伊東。サイドに攻撃力のある選手はほかにも何人かいるが、高速プレスで守備のスイッチを入れられるのが心強い。古橋はせっかくの先発機会だったがスペースがない試合では活きない。負傷退場。所属チームがないのに2戦連続で先発した長友は終盤に佐々木翔と交代。本当に左サイドバックは選手層が薄い。中国のエウケソンは体幹の強さがアジアレベルではなく脅威。ただ、ピークを過ぎた選手だとも感じる。中国の帰化選手戦略は期待したほどうまく行っていないのでは。遠からず今のエウケソンのレベルを凌ぐ若い中国人選手が台頭してくるだろう。そして、バーレーン人主審はまったく不安定で、国際試合の笛とは思えない。主審の判定ミスからは中国も日本も恩恵を受けていたと思うので、フェアといえばフェアなのだが、これでは選手側にプレイの質を高めるインセンティブがなくなってしまう。
●今回の最終予選からアウェイゲームのテレビ中継がなくなってしまった。アウェイはDAZNが独占配信。スポーツは有料配信で観るものになりつつある。

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