●8日は東京ニューシティ管弦楽団(旧称)の新音楽監督&新楽団名称発表記者会見。会場は東京芸術劇場だが、感染状況を考慮してYouTubeのライブ中継でリモート参加。登壇者は日野洋一理事長、飯森範親新音楽監督、齋藤正志楽団長、執行恒宏コンサートマスターの各氏。大きな話題は楽団名の変更。新楽団名は「パシフィックフィルハーモニア東京」。単なる名称変更にとどまらずリブランディングの狙いがあるということで、ロゴマークも新たにデザインされ、日野理事長より今後の方向性についても発表があった。飯森範親新音楽監督を迎え、東京の聴衆に愛され世界に誇れるオーケストラを目指すこと、アカデミーの設置、音楽を通じたコミュニティの形成という3つの方向性が掲げられた。
●執行コンサートマスター「昨年、飯森さんとの共演で3日間のリハーサルを通して音がどんどん変化するのを経験した」。齋藤楽団長「飯森さんが指揮することでオーケストラの音色が変わり、楽団員からの支持も高かった」。オーケストラの印象について飯森は「練習初日からみなさんがものすごく準備してくるので、高いレベルから始められる。メンバーとのディスカッションが自由にできる」と語る。
●こちらが新しいロゴ。「パシフィックフィルハーモニア東京」、略称で呼ぶなら「パシフィック・フィル」あるいは「パシフィル」だろうか。今、東京にはたくさんのプロオーケストラがあるわけだが、ほかとはっきり差別化できる名称になったのはよかったと思う(似た名前が多いので)。2022年度は9回の定期演奏会が予定され、その内の7回が東京芸術劇場、2回がサントリーホール。ほかに練馬文化センターで練馬定期も開かれる。さっそく新音楽監督のカラーが打ち出されており、日本初演作品としてメイソン・ベイツの「マザーシップ」、トーマス・アデスのピアノと管弦楽のための協奏曲(角野隼斗)、イェルク・ヴィトマンのヴァイオリン協奏曲第1番(神尾真由子)といった作品が挙がっていた。定期の指揮者陣は飯森のほか、園田隆一郎、鈴木秀美、ステファン・アズベリー、オーギュスタン・デュメイ、秋山和慶。全般に意欲的なプログラムが並んでいる印象を受けた。
September 9, 2021