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October 5, 2021

コンクールの季節

●今年はコンクールの話題の多い年。現在、ショパン・コンクールが開催中。YouTubeのChopin Instituteチャンネルで、すべての演奏が動画配信されている。膨大な量の映像がアップロードされていて、審査員であれ取材者であれ、これをすべて聴くのは至難の業だと思った。ずっとショパン。聴覚にゲシュタルト崩壊はないのかと、ふと思う。
●一昨日には第19回東京国際音楽コンクール〈指揮〉の結果が発表され、第1位がジョゼ・ソアーレス (ブラジル)、第2位がサミー・ラシッド (フランス)、第3位がバーティー・ベイジェン(イギリス)と、コロナ禍にもかかわらず国際色豊かな顔ぶれに。前回の2018年が第1位に沖澤のどか、第2位に横山奏、第3位に熊倉優と日本人が独占したのとは対照的な結果になった。別に国籍はどこでもいいわけだが、パンデミック前が全員日本人で、パンデミック後が(入国制限にもかかわらず)全員外国人という、一見すると逆みたいな結果になっているのが興味深い。こちらも本選の模様がKIPzで動画配信されている
●あまりコンクール動画は見ないのだが、KIPzという知らないプラットフォームだったので、試しに課題曲のロッシーニ「どろぼうかささぎ」序曲だけ4人分、聴いてみた。普段だったら同じ曲をなんども聴こうとは決して思わないけど、指揮のコンクールってピアノのコンクール以上に謎めているので、つい(なにせ本人は音を出さないわけだし)。これだけ聴くと、バーティー・ベイジェントという人が仕掛け満載で断然おもしろい。しかし、これに順位をつけるのは大変なことだろうと察する。サッカーのように明快なゴールがあるわけではないのだから。それとも内部的にはあるのだろうか。今の効果的なアッチェレランドでゴール!……いや、副審のフラッグが上がってオフサイドでした、みたいななにかが?