●久々に中東での完全アウェイとなったサウジアラビア対ニッポン戦。ワールドカップ最終予選という試合の重要性を考えてか、サウジアラビアはウイルス禍などもう過去の話といわんばかりにスタジアムに大観衆を入れ、大声のチャントと拡声器?を使ったような歌でニッポン代表を迎えた。気温は30℃。高温多湿で、前半の中頃からニッポンの選手たちが水を手にする姿が目に付いた。DAZNのみ配信、テレビ中継なし。
●さて、ここまでオマーンに敗れ、中国に勝って1勝1敗と苦戦気味のニッポン代表だったが、ここに来てアウェイのサウジアラビア戦というもっともタフな大一番に臨むことになってしまった。先に結果を言うと、ニッポンは0対1で敗れてしまったのである。前半からゲームを支配していたのはサウジアラビア。かつての堅守速攻のイメージはすっかりなくなり、モダンでハイレベルなチームになった。お互いに決定機はあったが、特にサウジアラビアのキーパーの好守もあって、前半はスコアレス。それは決して悪くなかったのだが、内容的にはボールロストの多さがかなり気になった。特に攻守の切り替えの場面、ニッポンがやっとボールを奪って攻め上がろうという場面で失ってしまう。これでは消耗するばかり。柴崎は最初に惜しいミドルシュートを放って期待を抱かせたが、その後、不用意なボールロストやパスミスが多く、なにか歯車がかみ合っていない様子。そして後半に決定的なミスが出てしまった。相手からプレッシャーを受けて、吉田に出した甘いバックパスを奪われて失点。直後に柴崎は交代させられたが、その後も吉田も平静を失ったのかミスが目立つ。ベテラン中心で組んだチームでベテランが崩れてしまうと、チームを立て直すのは難しい。結果的に柴崎が批判されるのはやむを得ないが、柴崎だけではなく、中盤から前線でボールを失う場面がやたらと多かった。
●ニッポンの選手のみ記しておこう。GK:権田-DF:酒井、吉田、冨安、長友(→中山雄太)-MF:遠藤、柴崎(→守田英正)-浅野(→古橋)、鎌田(→オナイウ)、南野(→原口)-FW:大迫。ケガと出場停止で中盤に久保、堂安、伊東の3枚を欠いたのは誤算だったが、そこの人選はあまり大きな問題ではない感じ。意外と南野をあっさり下げた印象。一方で大迫をオナイウと代えるのかと思ったが、最後まで使い続けた。これで3試合を終えて勝点3。サウジアラビアとオーストラリアはともに3連勝で勝点9。かなり引き離されてしまった。森保監督はここまでずっとギャンブルを避けて手堅く戦ってきた結果、新陳代謝が進まず、ベテランとともにチーム全体がゆっくりと力を落としてきたように見える。解任論が出てくると思うが、この段階での人選は難しいところ。
October 8, 2021