●約一年ぶりに「味スタ」こと味の素スタジアムを訪れた。対戦カードは東京ヴェルディvsファジアーノ岡山。マリノス者であるワタシにとって、ヴェルディは複雑な思いを抱かせるチームで、かつては好敵手であり、太古のダービーマッチの相手とも言えたのだが、その後別の道を歩んだことで、今ではどちらかといえば心情的に親しみを感じるチームになっている。それに、もともとマリノスとヴェルディ間では選手の移籍も多い。ヴェルディから中澤佑二がやってきたとき、いったいだれが彼がチームの顔となることを予想できただろうか。現在のヴェルディにも佐藤優平、富澤清太郎、端戸仁、奈良輪雄太、杉本竜士といった元マリノスの選手がいる。
●で、J2の中位対決となったヴェルディvs岡山戦だが、観客は3204人。感染拡大防止策による上限5000人にも満たず、客席はガラガラ。約5万人収容なのだから10分の1未満の入場率。なにしろ両隣が空席であるだけではなく、前列すべて後列すべてが空席というディスタンスたっぷり配置なのだ。過半の人々がワクチン接種を終えた今、この販売方式はまもなく終わるものと信じる。
●ヴェルディはかつての名選手、永井秀樹監督がパワハラ騒動で先月辞任したばかり。そんな監督だったとは……。で、コーチ陣から堀孝史新監督が昇格して指揮を執っている。基本的なヴェルディ・スタイルはそう変わっていないようで、パスをつないで主導権を握ろうとする。4-3-3で布陣も攻撃的。が、前半からゲームを支配していたのは岡山。布陣は4-4-2。ヴェルディは中盤が佐藤優平、石浦大雅、梶川諒太の3枚で、ここの選手間の距離が開き、数的不利になりがち。一時期マリノスでポジションを得ていた佐藤優平だが、今はヴェルディの中心選手といってもいいようなベテランに。テクニシャンが大勢いそうなヴェルディでプレイスキックを任されているのも軽い驚き。ただ、この日は好調とはいいがたい出来。35分、岡山の先制点は石毛がボールをふわりと浮かせてディフェンスを交わして、ハーフボレーを叩き込むカッコよすぎるゴール。後半、ヴェルディは右サイドバックを下げてミッドフィルダーの森田晃樹を投入。ディフェンスを3枚にして、一列前で森田と佐藤優平で中盤を厚くして、ボールを持てるようになった。60分、中央突破からこぼれ球を戸島章が決めて同点ゴール。これで流れがよくなったと思ったが、64分、またしても岡山にスーパープレイ。パウリーニョの縦パスに抜け出た上門知樹が角度のないところからゴール天井に突き刺す強烈なシュートを決めてふたたびリード。ヴェルディのキーパーは大ベテラン、柴崎貴広。ここをぶち抜かれるのは悔しい。ヴェルディ若狭のディフェンスの淡白さが気になった場面だが、ここだけではなく全体にプレイ強度で岡山が上回っていた感は否めない。ヴェルディ1対2岡山。
●ヴェルディのセンターバックには水戸から移籍してきたンドカ・ボニフェイスがいた。「ン」から始まる名前のJリーガーとして、以前当欄で紹介したことがある。強靭なフィジカル。埼玉県出身。
●味スタの場内売店って、ケンタッキーフライドチキンとかタコスとか全般に脂っこいものばかりのイメージなんだけど、巻き寿司とかおむすびとか欲しくないっすか。ワタシは欲しい。揚げ物と肉以外で食べやすいもの。
October 11, 2021