November 18, 2021

イザベル・ファウスト J.S.バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲演奏会 第1夜

●海外からアーティストが予定通りに来日するだけでほっとするのが今。もうしばらくするとこんな時期があったことも昔話になるのだろうか。17日は東京オペラシティでイザベル・ファウストによる「バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタとパルティータ全曲演奏会第1夜」。全6曲を二日にわけて演奏、休憩なしというフォーマット。第1夜はソナタ第1番、パルティータ第1番、ソナタ第3番の3曲。正味1時間強のプログラム(プラスしてアンコール一曲。ソナタ第2番の第3楽章アンダンテ)。ファウストのバッハ無伴奏は以前にも聴いたことがあるし、2日間とも通うのは日程的に厳しかったので第1夜のみ参戦したのだが、聴きはじめて激しく後悔。これは両日とも聴くべきだった!
●以前もそうだったが、両面に譜面を貼り付けた大判の厚紙を譜面台に置いて演奏。すっかり手の内に入った作品であっても毎回が新しい体験といわんばかりの鮮度の高さ。ソナタ第3番のフーガは白熱。もともとこの6曲、通しで演奏してストーリーのあるものではないんだから、半分の3曲でも十分に楽しめるはずだと思ったし、事実楽しんだけど、初日だけだとサッカーの試合を前半だけ観て帰るみたいな落ち着かなさを感じる。第2夜のおしまいにパルティータ第2番を聴き終わったときに訪れるはずの、旅の終わりみたいなしみじみとした感慨を想像する。
●前に聴いたときはどうしたんだっけ……と思って調べてみたら、彩の国さいたま芸術劇場音楽ホールで同日2公演方式だったのだ。午後の第1部で3曲聴いて、夜の第2部で残り3曲を聴くという方式(3曲の分け方は今回と微妙に違ってた)。そういう手もあったか。

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