●ワールドカップ最終予選、ニッポンのホームゲームとなる中国戦とサウジアラビア戦は予定通りの開催。外国人の新規入国は原則停止されているが、公益性の観点から特例で入国が認められたという。ありがたいといえばありがたいのだが、音楽界の現状を鑑みれば、すでに日本もオミクロン株が蔓延している現在、水際対策を続けることにどんな意味があるのかとぼやきたくもなる。
●それはともかく、昨日の中国戦だ。1位サウジアラビアに水を開けられ、オーストラリアと激しく2位争いをするニッポンとしては、ホーム中国戦は勝っておきたい試合。ところがニッポンはセンターバックの絶対的なレギュラー2名(吉田、冨安)をはじめ、主力数人を欠いて台所事情は苦しい。で、森保監督がどういう決断をしたかといえば、センターバックに板倉と谷口のコンビ。シャルケの板倉はこの人しかいないという選択だが、その相棒は実績でいえばニームの植田。ただ植田はオマーン戦での失点場面の印象がよくない。谷口はJリーグがシーズンオフなので海外組と比べてコンディションはどうなのか……と、思っていたが、結果的に板倉と谷口でなんの問題もなかった。というのも、ほとんど中国にチャンスがなかったので。
●ニッポンの布陣はGK:権田-DF:酒井、板倉、谷口彰悟、長友(→中山雄太)-MF:遠藤航(→久保)、田中碧、守田-FW:伊東(→堂安)、大迫(→前田大然)、南野(→原口)。相変わらず森保監督は慎重で、若手よりもピークを過ぎたベテランを重用する。毎試合のように左サイドバックは長友が先発して、中山雄太がリリーフみたいに出てくるのだが、サイドバックの世代交代のためにここまで手数をかける代表監督を初めて見た。右の酒井にもかつての馬力とパッションは感じられない。大迫はストライカーにも枯淡の境地があるのだと教えてくれる。中盤の構成力で相手を大きく凌駕するニッポンはほとんどの時間帯で攻め続けた。前半の少しラッキーなPKで1点、後半、中山雄太のクロスに中央にフリーで走り込んだ伊東が頭が合わせて2点。2対0で完勝。結果を見れば、森保采配は正しかったのだろう。得点シーン以外でも伊東は光っていた。柏時代の伊東がここまで成長したことは正直予想外。スピードはもとからあるけど、ベルギーで巧くなったと思う。途中から大迫に代わってトップに入った前田の精力的な動きも印象的。前田はまだまだ行ける。
●中国は前の試合でオーストラリア相手に引き分けているので、地力はこんなものではないはず。この日はプレイの強度も精度も欠き、中盤でボールを簡単にボールを失ってしまって、意外なほど淡白。グループ5位で迎えたアウェイゲームとあっては、テンションがあがらないのも無理はないか。前にも書いたけど、中国は帰化選手に頼らないほうが強くなるように思えて仕方がない。
●次は1日のサウジアラビア戦。グループ最強の相手で、板倉と谷口のセンターバックコンビや中盤の構成がどれだけ機能するのかが問題。ホーム2連戦で移動がないのはアドバンテージ。
January 28, 2022