●7日昼、ヴァイオリニストの諏訪内晶子が芸術監督を務める「国際音楽祭 NIPPON 2022」のオンライン記者会見が開かれた。登壇は諏訪内晶子、二瓶純一ジャパン・アーツ代表取締役社長、音楽祭プロデューサーの山田亮子同社取締役の各氏。2月8日より約一か月間、東京、名古屋、陸前高田の各地で7企画10公演が開かれる。主な公演を挙げると、バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータを2回に分けて演奏する諏訪内晶子ヴァイオリン・リサイタル、尾高忠明指揮NHK交響楽団と諏訪内晶子の共演によるデュティユーのヴァイオリンと管弦楽のための夜想曲「同じ和音の上で」&ブラームスのヴァイオリン協奏曲、「クラシック」と「モダン」の2公演にわたって開催される「諏訪内晶子室内楽プロジェクト」、「ブラームス室内楽マラソンコンサート」他。
●「諏訪内晶子室内楽プロジェクト」ではマーク・ゴトーニ(ヴァイオリン)、鈴木康浩(ヴィオラ)、イェンス=ペーター・マインツ(チェロ)、阪田知樹(ピアノ)が共演。「クラシック」ではフランクのピアノ五重奏曲のほか、ファニー・メンデルスゾーン、クララ・シューマンの作品も。「モダン」では望月京の委嘱新作、バツェヴィチのピアノ五重奏曲第2番他。サブテーマとして女性作曲家の作品にも光を当てる。
●諏訪内さんが現在使用する楽器は1732年製作のグァルネリ・デル・ジェズ「チャールズ・リード」。以前はストラディヴァリウスを長く弾いていた。諏訪内「ほとんどのレパートリーをストラディヴァリウスで弾いてきたが、楽器が変わっただけで音楽は大きく変わる。楽器の潜在能力が異なる。ストラディヴァリウスは、もともとあるものをどうやってできるだけ崩さずに聴いてもらうか。一方、デル・ジェズはただそのまま弾いただけでは音が出ないので、奏者が掘り下げて、イメージした音に近づいていかなければならない。それを続けていると、イメージした以上の音が出てくる」
●会見の使用ツールはYouTubeで、一方通行の配信。質問は事前に送信する方式。話を聞く前に質問を求められるのはなんだか奇妙な感じもするが、時間が押す心配はなくなる。
February 8, 2022
諏訪内晶子 国際音楽祭 NIPPON 2022 オンライン記者会見
photo © その江