●まだまだ寒いがJリーグが開幕。日産スタジアムの入場者数は約1万4千人。マリノスはシーズンオフにずいぶん選手の出入りがあった。チームの屋台骨ともいえる選手たち、前線の前田大然、中盤の扇原、センターバックのチアゴ・マルチンスが移籍してしまった。ポステコグルー監督に引っ張られてスコットランドのセルティックに行った前田はしょうがないとして、チアゴ・マルチンスがニューヨーク・シティに移ったのは誤算。ほかにもティーラトン、天野純(韓国にローン)ら実績豊富な選手もいなくなった。代わりに新戦力として鹿島から永戸勝也、鳥栖からエドゥアルド、徳島から藤田譲瑠チマ、仙台から西村拓真、中国の武漢からアンデルソン・ロペスを獲得。うーん、いい選手たちを得たとは思うが、抜けた選手たちが戦術面で絶対的な存在だったので、今季はがまんの展開が続くかも。
●で、開幕スタメンを見たら新戦力がひとりもいなかった……。どうやりくりしたかといえば、岩田を畠中と並んでセンターバックに置き、左右のサイドバックは松原と小池、中盤に喜田と渡辺皓太、トップ下にマルコス・ジュニオール、左に仲川輝人、右に水沼宏太、トップにレオ・セアラ。右の仲川を左に使ってなんとかしたが、駒不足の感は否めず。ACLも戦うのに。
●苦手なセレッソ大阪相手にマリノスはケヴィン・マスカット監督のもと、昨季からの継続性を重視した攻撃サッカーを展開。ボールはよく回るし、ほとんどの時間帯で攻めていたといってもいいくらいだが、相手のディフェンスを混乱に陥れる場面は少なく、特に前半はセレッソのゲームプランにハマってしまった感触も。コーナーキックから失点で1点先制されたが、後半に仲川とアンデルソン・ロペスがゴールを奪って逆転、これで勝利も同然と思っていたら90分にまたもコーナーキックからなんと清武に頭で決められて追いつかれた。2対2のドロー。アンデルソン・ロペスは1ゴール1アシストの大活躍だが、先発でもフィットするのかどうかはまだなんとも。前田大然の驚異的なスプリント回数とチアゴ・マルチンスの広大なスペースをカバーするスピードがなくても、この戦術は機能するのかどうか、まだ確信が持てない。
●ところでセレッソ大阪の小菊昭雄監督にはプロ・サッカー選手の経歴がない。外国人監督では珍しくないが、日本人監督では少数派。大卒後にセレッソの下部組織にアルバイト採用され、そこからスカウト、コーチを経て監督にまで上り詰めたという叩き上げ。元名選手にはない、経験の深さが強みだろう。
February 21, 2022