●28日はミューザ川崎市民交流室でフェスタサマーミューザKAWASAKI 2022のラインナップ記者発表会。いつものように福田紀彦川崎市長、ミューザ川崎シンフォニーホールのチーフ・ホールアドバイザーである秋山和慶マエストロらが登壇。期間は7月23日から8月11日まで。今回は首都圏のオーケストラに加えて、大阪フィルが参加。全ラインナップはこちら。どれも気合の入ったプログラムだが、特に目立ったところを挙げると、開幕はノット指揮東響でクルターク「シュテファンの墓」、シェーンフィールド「4つのパラブル」、ドビュッシー「第1狂詩曲」、ストラヴィンスキー「タンゴ」「エボニー協奏曲」「花火」、ラヴェル「ラ・ヴァルス」という凝ったプログラム。尾高指揮大フィルは得意のエルガーの交響曲第1番他。久々のエッティンガー指揮東フィルのコンビはリムスキー=コルサコフ「シェエラザード」他。異彩を放っているのが広上淳一指揮新日本フィルの山本直純特集。フィナーレコンサートは原田慶太楼指揮東響でコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲(岡本誠司)、武満徹「3つの映画音楽」、プロコフィエフ「ロメオとジュリエット」抜粋で、これもプログラムに妙味あり。
●オーケストラ以外の公演ではイリヤ・ラシュコフスキーと小川典子の2台ピアノによるストラヴィンスキー「春の祭典」+ラフマニノフ「交響的舞曲」が強力。浜松国際ピアノコンクールの優勝者と審査委員長のデュオというのがおもしろい。オンラインで会見に参加した小川典子さんが「ラフマニノフの交響的舞曲は決してオーケストラ版のミニチュアではない」と話していたのが印象に残った。ちなみに同曲はギルバート指揮都響も演奏するので、両方聴き比べると楽しそう。
●今回も映像配信がある。リアルとオンラインのハイブリッド開催。配布資料によると、有料配信券の販売は2020年の10,140枚に対して、2021年は6,295枚。これは2020年の有観客公演が600席限定だったのに対し、2021年は収容人数の制限がなかったことが大きく影響している。大幅に減ったことになるが、自分の感覚ではむしろ収容人数の制限なしでもこれだけ売れるんだということにポジティブな驚きを感じた。ウイルス禍とは無関係に有料映像配信には潜在的な需要があるし、これから育ってゆく分野だろうと期待している。ちなみに購入者の6割は女性。
●フォトセッションでは、今回のキャッチコピー「夏、ジャ~ン♪」に合わせて各氏がポーズ。写真左より辻敏東響事務局長、オルガニストの松居直美ホールアドバイザー、福田紀彦川崎市長、秋山和慶チーフ・ホールアドバイザー、桑原浩日本オーケストラ連盟専務理事。画面の向こうに小川典子ホールアドバイザー。
●久しぶりにリモートなし、リアルのみの記者発表に出席した。ウイルス禍の間、極力リモートしか出席しなかったので、たぶんリアル記者発表には今回を含めて2回しか足を運んでいない。あまりに久しぶりすぎて、対面における適度な社交の感覚を忘れている自分に気づいて焦る。
March 29, 2022