●5日はサントリーホールで「こども音楽フェスティバル」。この音楽祭はソニー音楽財団とサントリー芸術財団がタッグを組んで開催する子供たちのためのフェスティバルで、5月4日から7日までの4日間にわたって開催中。会場はサントリーホールの大ホールとブルーローズを中心に、アーク・カラヤン広場や周辺施設も活用される。公演ごとに子供の対象年齢がきめ細かく設定されており、0歳からのコンサートもあれば、小学生以上や中高生以上を対象としたコンサートもある。さらには妊婦さん対象の公演も。こういった公演はこれまでにもソニー音楽財団がさまざまな形で開いてきており、ノウハウの蓄積があるのだろう。コロナ禍による延期を経て、今回が初めての開催となった。一部公演を除いて、無料ライブ配信もあり。
●5日の「名作アニメ×スクリーン! ~ファンタジア&トムとジェリーほか~」では舞台上にスクリーンが設置され、ディズニー映画の名場面に合わせて竹本泰蔵指揮東京フィルが演奏。ナビゲーターは松本志のぶ。使用されている映像はまさに古典といえる名作ばかり。トムとジェリーの「星空の音楽会」での「こうもり」序曲、「ファンタジア」での「くるみ割り人形」「田園」「魔法使いの弟子」、「メイク・マイン・ミュージック」の「ピーターとおおかみ」といったラインナップ。1940年から50年にかけて製作された古い映像だが、アイディアが古びていないことに改めて感嘆。現代の子供たちにもそのまま通用する。しかも映像表現が音楽の内容に緻密に同期している。それだけに映像に生演奏を合わせるのは大変だと思うのだが、難なくシンクロするのはさすが。
●以前はこの時期に「ラ・フォル・ジュルネ」があって、多くのファミリー層が詰めかけていたわけだけど、「ラ・フォル・ジュルネ」とはまた違ったテイストの音楽祭だと感じる。やはり場所がサントリーホールであるというのがいちばんの違いで、子供たちにほんのりと「おめかし感」があるというか。音楽祭は継続することで育ってゆくものなので、今後も続くことを願う。
May 6, 2022