●24日は午後イチで新日本フィルの記者会見、夕方からN響の記者会見、夜は読響の演奏会と「在京オーケストラ巡り」みたいな一日になった。ほんの少し前まで「記者会見はリモートでないと……」と思っていたのだが、世の中の雰囲気も変わって、会見はどちらもリアルのみ。今後、シンプルに元に戻るのか、それとも一歩進んで「ウチはメタバースでやります!」みたいなところが出てくるのか、どうなんでしょ。
●で、それぞれの内容は順次ご紹介することにして、本日は時系列で新日本フィルの記者会見から。会場はすみだトリフォニーホール。「すみだ音楽大使」「新日本フィル・ミュージック・アドヴァイザー」指揮者・佐渡裕就任記者発表会と題され、登壇は写真左より宮内義彦理事長、佐渡裕、山本亨墨田区長の各氏。佐渡さんは4月1日より「すみだ音楽大使」と新日本フィルの「ミュージック・アドヴァイザー」を務めており、2023年4月より音楽監督に就任する。また、これに伴い新日本フィルはシーズンの開始を9月から4月に変更、定期演奏会のラインナップも簡潔化し、「トリフォニーホール・シリーズ」「サントリーホール・シリーズ」「すみだクラシックへの扉」の3本立てに再編成された(以前の「トパーズ」とか「ジェイド」は、名前から中身が推測できなかったので、これは歓迎)。
●印象的だったのは「すみだ音楽大使」としての地元密着の姿勢。山本区長より、すみだトリフォニーホール開館25周年、新日本フィル創立50周年の節目を迎え、ポストコロナの墨田区で音楽が魅力ある街づくりを進める柱となる旨が述べられた。佐渡さんも自身が街に出かけることで、地域に根差していこうという意欲を打ち出す。「墨田区は大きな街だけど人情味があって親しみを感じる」「町内会単位でオーケストラを聴きに来てもらって、お店で『新日フィルすごいよね』と話題になることを目指したい」。「新日の監督になるって言ったらプロレスのほうとまちがえられた」のお約束ギャグも。
●佐渡さんにはなんといっても兵庫西宮のPACでゼロから作ったオーケストラを同一プログラムで3日間満席にできるまで育てた実績があるのが強み。まずはYouTubeで「すみだ佐渡さんぽ」第1弾を配信中(以下に貼り付け)。音楽監督としてのレパートリーの中心はハイドンからブルックナー、マーラーに至るまでの「ウィーン・ライン」が中心になるが、フランス音楽、武満徹などもとりあげたいと抱負が述べられた。
May 25, 2022