●26日はサントリーホールでファビオ・ルイージ指揮N響。ルイージはN響の次期首席指揮者。プログラムはメンデルスゾーンの序曲「静かな海と楽しい航海」、ラヴェルのピアノ協奏曲(小菅優)、リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。ソリストの入るラヴェル作品を別とすれば、海つながりのプログラム。今回の定期公演Bプロがそのまま3日後に本土復帰50年を記念して沖縄でも演奏されるのだが、もしかして沖縄由来での海プロなのか?(と、帰宅してから気づいた)
●で、自分にとっては、この直前に上岡指揮読響でツェムリンスキーの交響詩「人魚姫」を聴いているので、それも含めて「人魚姫」→「静かな海と楽しい航海」→「シェエラザード」とつながる海シリーズ勝手プチ祭を楽しむという趣向だったりする。救いのないダークサイド「シェエラザード」である「人魚姫」が、メンデルスゾーンでハッピー&ラッキーな船旅を経て、最後はシンドバッドの冒険で盛り上がるという展開。波打つ大海原をゴージャスなオーケストラのサウンドですいすいと進む。小菅優独奏によるラヴェルのピアノ協奏曲は力強いタッチで描かれたダイナミズムに富んだ演奏。おしゃれラヴェルとは一線を画す濃密な味わい。アンコールにラヴェル「水の戯れ」を弾いてくれて、ここで海プログラムにつなげてくれたのが吉。
●「シェエラザード」はエキゾチックなアラビアンナイトの物語性よりも純音楽的なドラマが前面に出ており、シンフォニック。終楽章は白熱。第3楽章「若い王子と王女」での弦楽器の柔らかい響きも印象的。ホルンは客演の方だったんでしょうか。
May 30, 2022