●東京国立近代美術館で開催中のゲルハルト・リヒター展へ(~10.2)。日本では16年ぶり、東京では初となる美術館での個展。平日午前の早い時間に寄ったが、若い世代を中心に館内は盛況。同美術館の前回の企画展、鏑木清方展も同様の時間帯に行ったがそのときはほとんどが年配者。モダンな作品だと客層が若くなるのは演奏会と同じか。
●4点の絵画からなる「ビルケナウ」の一部。アウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で隠し撮りされた写真を描き写したイメージの上層に、この灰黒色と赤色の抽象画が描かれている。といっても、もとのイメージはまったく見えない。この一角は工夫された展示がされていて、少し異様な空気が立ち込めていた。
●すぐ近くには対照的に明るくポップな一角が。作品と一緒に自分を撮る/撮ってもらう人たちも。「ばえる」のか。
●数少ない肖像画、「エラ」。モデルは娘。うつむいた顔から表情は読めない。どことなく超然とした印象を受ける。
●アブストラクト・ペインティング。数としてはこのタイプの作品が多い。たまたまそばにいた小さなお子さんを連れたお母さんが、子供に話しかけていた。「お家に飾るならどれがいいかしらねえ」。奇遇だ。ワタシもまったく同じことを考えながら絵を見ている。
●常設展にも同美術館所蔵のリヒター作品が何点か展示されている。コロナ禍以来、ここの常設展にはなんども足を運んでいるわけだが、一度に企画展と常設展をぜんぶ見るのは無理。リヒター作品プラス何か所かピンポイントで楽しむに留める。
July 6, 2022