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September 26, 2022

ニッポン代表vsアメリカ代表 キリンチャレンジカップ2022 デュッセルドルフ

ニッポン!●秋に変則開催されるワールドカップ・カタール大会に向けて、これが事実上最後の準備となるキリンチャレンジカップ2022。なにせ今回は大会直前の合宿期間が設けられず、どこの代表チームもリーグ戦を抜け出して「ぶっつけ本番」で臨む異例の大会。すべてはオイルマネーの力、なのか。
●で、アメリカ代表とエクアドル代表と戦うキリンチャレンジカップ2022、チケット発売のお知らせメールが事前に届いていたが、よく見れば開催地はデュッセルドルフ……。行けるわけないじゃないの。もっとも、どの国も主力は欧州でプレイしているのだから欧州で大会を開催したほうが選手の移動は楽。デュッセルドルフはもともと日本人コミュニティがあり、日本サッカー協会も欧州の拠点をこの地に置いている。スタンドには日本人の姿も多く、チャントが聞こえてくる。
●アメリカ代表はFIFAランク的には日本より上。チェルシーのクリスチャン・プリシッチやドルトムントのジョヴァンニ・レイナら欧州で注目される若い才能が多い(ただしプリシッチは負傷でメンバー外)。かつては同じサッカー新興国としてやや日本がリードしていた印象があったが、日本がぐんぐん伸びている間、それ以上にアメリカも伸びていて、さすがスポーツ大国。欧州でも南米でもない国がワールドカップで初優勝を果たすとしたら、それはアメリカ代表ではないか(カタール大会はアジア北中米勢にも優勝のチャンスがあると見ているのだが、それはまた別の話)。
●久々に対戦したが、アメリカ代表はニッポン代表とよく似ている。前線からのプレスが身上。チームに規律があって、前半から後半まで精力的で組織的なプレスをかけ続ける。このあたりの連動性は、ニッポンも悪くないけどアメリカが一枚上手。よくもまあ、そこまで忍耐強くかけ続けられるなと思うほど。ボールをゴールキーパーからつなぐのも同じ。結果的にどちらもディフェンスラインから一列前にボールを出して選手に前を向かせるまでのプロセスが「詰め将棋」風で、ここがうまくできると即チャンスになるし、ここで一手まちがえると即ピンチになる。そして、ミスが多かったのはアメリカのほう。それがそのままニッポン2対0アメリカという結果に出たゲームだったと思う。ニッポンはかなり厳しいプレスを受けていたにもかかわらず、少ないミスで乗り切った。見事な技術。こういうサッカーを見ていると、ディフェンの選手(キーパー含む)の足元の技術がいかに大切かを痛感する。技術の足りない選手がひとりでもいると、そこが綻びになる。
●ニッポンは4-2-3-1でトップ下を置く形。このトップ下のキープレーヤーに鎌田大地を抜擢。鎌田はフランクフルトでの活躍ぶりを見れば中心選手になっておかしくないのに、森保体制では序列が低かった。まさかこの段階で序列が変わったのか。左に久保建英、右に伊東純也。伊東は右でしか使えないが、久保は左でも使える。所属のレアルソシエダでは左でもプレイしているそう。前線には前田を抜擢。プレスの強度では前田が最強だろう。ただし、この布陣だとエースであるべき南野の居場所がない。フライブルクで復調した堂安もベンチ。
●セントラルミッドフィルダーは遠藤航と守田英正。ここはこのふたりで盤石のはず。守田はポルトガルの名門スポルティングに移籍して、中心選手の座をつかんでいる。ディフェンスラインは左が中山雄太、右が酒井宏樹、センターバックは吉田と冨安のコンビ。ただし後半は酒井が退き、冨安が右サイドバックに入り、伊藤洋輝がセンターに入った。本来なら板倉がセンターバックに入ると思うのだが、負傷で不在。板倉が本大会に間に合うなら、冨安は右で行ける。結果的に無失点で抑えられたのは収穫。
●GK:権田(→シュミット・ダニエル)-DF:酒井(→伊藤洋輝)、冨安、吉田、中山雄太-MF:遠藤、守田-伊東(→堂安)、久保(→三笘)-鎌田(→原口)-FW:前田大然(→町野)。ゴールは鎌田と三笘。三笘は自分の型に持ち込めれば無双。