November 7, 2022

祝。マリノス3シーズンぶり5回目の優勝 神戸vsマリノス J1リーグ第34節

●最終節までもつれにもつれたJ1リーグだったが、マリノスがアウェイで神戸を下して、3シーズンぶりの優勝を果たした。神戸 1-3 マリノス。同時刻に開催されていた2位の川崎が早々に退場者を出しながらも勝利するという、敬服すべき粘り強さを見せたが、マリノスも勝利して勝点差2のまま逃げ切った。
●神戸戦は序盤にアンデルソン・ロペスが先制点を決めたかと思いきや、7分間もの長い長いVARチェックを経て取消し(いくらなんでも長すぎ……)。嫌なパターンではあったが、エウベルが先制点をあげた。その後、武藤に同点ゴールを決められるが(クロスを入れる酒井高徳にだれもプレッシャーをかけられなかった)、後半に西村、途中出場の仲川がゴールを決めて勝ち切った。後半途中まで、マリノスはなかなかボールが持てず、自分たちのサッカーができなかった。しかし63分に神戸がイニエスタを投入して中盤のプレッシャーが弱くなると、途端にボールが回り出した。このイニエスタの起用法、どうなんでしょね。
●3年前の優勝はポステコグルー監督がもたらした。今回、同じサッカーを継承したケヴィン・マスカット監督が優勝を果たした。この日の先発メンバーのほとんどが3年前にいなかった選手。監督も選手も入れ替わって、同じサッカーを実現しているのがすごい。マリノスは過去にも優勝経験はあるものの、大半のシーズンはJ1の中位グループに留まっていて(少なくともそういう実感)、「優勝争いに絡まずに7位、8位あたりに落ち着く守備の堅いチーム」という、いくぶん退屈さを伴うチームカラーをまとっていた。それがポステコグルーが監督に就任すると一変、ハイライン、ハイプレスで積極的にリスクをとるサッカーに変わった。すさまじい得点力に加えて、今季は失点も少なくなったのが勝因。キーパーの高丘が無理にボールをつなげようとせず、長いボールを蹴る場面が増えた。極端な理想主義に走らず、現実的になったというか。
●試合後のキャプテン喜田拓也のインタビューが味わい深かった。くりかえし、みんなに「おめでとうと言いたい」って話すんすよ! いや、あたながいちばん祝われるべき立場じゃないの。でも、ファンを、マリノス・ファミリーのみんなを「おめでとう」と祝福せずにはいられないのが喜田。「みんなの喜ぶ顔を見て感無量です」だって! そんなできた28歳がいるか。喜田には引退後、指導者になってほしくない。現場ではなく、会社に残ってマリノスを支えてほしい。いずれは営業本部長、さらには球団社長へ。なんならJリーグ専務理事あるいはチェアマンに。ひょっとすると横浜市長、神奈川県知事に。そんな妄想を刺激するのが喜田。