●ワールドカップ2022カタール大会が開幕した。初日、開催国のカタールがエクアドルに完敗して、いきなり水を差された感もあるが、二日目はアジア最強国の一角イランがイングランドと対戦。イランにはポルトガルリーグ得点王のタレミやオランダリーグ得点王の経験もあるジャハンバクシュもいる。アジア予選ではぶっちぎりの強さ。期待していたが、イランの布陣を見てがっかり。5バックで引いて守って耐える戦法。ケイロス監督、そりゃないよ……。普段から王者の戦いをしているチームが、守って耐える戦術をとったらどうなるか。ぜんぜん守れない。
●前半だけでイングランドはベルンガム、サカ、スターリングの3ゴール。イランのキーパーの負傷による中断もあって、前半アディショナルタイムが14分もあって、もうテンションはただ下がり。後半もイランは失点を重ね、終わってみれば6対2(イランの2点目は微妙な判定のPK)。こんなのはワタシの知ってるイランじゃない。みんなで守ると好きなだけ相手は攻めてくるし、たまにボールを握っても相手は恐れない。後半も10分以上のアディショナルタイムがあり、前半と合わせるとまるで延長戦があったような長さ。やれやれ。
●せっかくのカタール開催なのにアジア勢(しかも中東勢)は連敗スタート。この後、サウジアラビア対アルゼンチン、オーストラリア対フランス、日本対ドイツが控えているわけだが、はたして……。
●今大会、カタールが人権問題で欧州から批判されていること、レギュラーシーズン真っ最中の秋に変則開催したことなどあって、大会が盛り上がるかどうかが疑問視されている。というか、すでにカタールで開催したこと自体が失敗だったという気分が蔓延しているのでは。いったいなぜカタールなのか(前回のロシアもだけど)。FIFAが目先の利益を追い続けた結果、ワールドカップの価値は下がっていると感じずにはいられない。もし今大会を成功に導くものがあるとすれば、それは競技そのもの、すなわち伝説のプレーであり、伝説の試合しかない。
イングランド 6-2 イラン
娯楽度 ★
伝説度 ★
(満点は星5つ)