November 24, 2022

ドイツ対ニッポン ドーハの歓喜、そして伝説へ……? ワールドカップ2022 グループE

ニッポン!Goooooooooooal!!!!!!! GolGolGolGolGolGol Gooooooooooooooaaaal!!!!! で、伝説だ。堂安ゴル。浅野ゴル。特に逆転の浅野ゴル。本物の伝説のゴールだ。これは2002年10月11日に世田谷区の砧公園の草サッカーでワタシが決めた伝説の俺ゴール以来の伝説のゴール。伝説を連呼してゲシュタルト崩壊を起こすほどの伝説すぎる伝説。
●まさかニッポンがドイツ代表相手にワールドカップで逆転勝利を収めようとは。しかも、ここまでさんざん批判されてきた森保監督だが、この試合は森保采配で勝ったようなもの。脱帽するしか。先発は怪我人の影響を除けば想定通り。GK:権田-DF:酒井(→南野)、板倉、吉田、長友(→三笘)-MF:遠藤、田中碧(→堂安)-伊東、鎌田、久保(→冨安)-FW:前田大然(→浅野)。前半は完全にドイツのペース。ほとんどの時間帯でドイツがボールを支配し、個の力の差を痛感。ニッポンは試合の入り方は悪くなく、序盤は前田と鎌田でプレスをかけながら組織的に粘り強く守り、ボールを奪ったらカウンターという形が見えていた。前半8分に右サイドの伊東から鋭いクロスが入り、なかで前田が決めるという形があったが、これはオフサイドでノーゴール。ただ、その後はたまにニッポンがボールを奪っても、攻撃につなげられず、すぐにまた守って耐えるという展開に。守備にエネルギーを使って消耗するばかり。ドイツの攻撃は効率的で力強く、パスを回しながら空いたスペースにどんどん選手が走り込む。なんどもピンチを迎え、前半33分、権田のファウルからPKをとられてギュンドアンが先制ゴール。その後もドイツになんどもゴールを脅かされ、このまま失点を重ねて大敗してもおかしくないという流れ。前半を1失点で凌げたのは幸運だったと思う。
●後半頭から、森保監督は久保に代えて冨安を投入して、布陣を3バックに変更。久保は前半から相手のフィジカルに屈する場面が目立ったので交代はあるかと思ったが、コンディション不良だった冨安を入れるとは。この布陣の変更が効いた。3バックとはいえ、センターバック3枚にウィングバックに長友、酒井が残るという5バック調になった。前半、ニッポンの守備時にドイツがひとり余る形が多かったので、その穴をふさぐ効果もあったが、それ以上に後ろに一枚増えたことで、後方からボールをつないでビルドアップができるようになった。もちろん前の選手はひとり減るので、そのまま5バック調で進めるはずはなく、森保監督はここから徐々に攻撃の選手を増やしていく。後半の最初の10分くらいを守った段階で長友を下げてドリブラーの三笘を投入、同時に前線の前田と浅野を交代。ただ三笘が前を向くチャンスがなく、守備に追われがちだったが、後半26分に田中碧を下げて堂安を入れたことで一気に攻撃的な布陣になった。後半30分、ようやく前を向いた三笘が左サイドから切れ込むと思わせてスルーパス、これを南野が中央に折り返す。キーパーのノイアーがこれを弾いたところに走り込んだ堂安が押し込んで同点ゴール。
●続く後半38分、自陣でのフリーキックから板倉がロングボールを前線に入れると、阿吽の呼吸で飛び出た浅野が神技的なトラップから直線的に突進、ディフェンスも付いていたが、そのままノイアーのニアサイド、肩の上をぶち抜くゴールで逆転。これまで代表では浅野はトラップやシュートの技術的な精度で見劣りすると思っていたのだが、いちばん重要な場面でスーパープレイ。最高のジャガーポーズを見せてくれた。ドイツは終盤はキーパーのノイアーも前線に上がって捨て身の攻撃。6分のアディショナルタイムがあったが、ニッポンは攻撃の選手だらけの布陣でなんとか守り切って勝利。前半と後半でまったく違ったゲームになった。前半、ニッポンは相手に押されてディフェンスラインが下がりがちで、ラインが間延びしているなと感じていたが、後半は逆にドイツがコンパクトさを欠き、中盤で日本に自由を与えてしまった。前半の優位な内容が影響したのか、守備があまりに淡白すぎた。
●先制された後、集中的に2ゴールを奪って逆転するという流れはアルゼンチン対サウジアラビアの番狂わせとそっくり(内容はぜんぜん違うと思うけど)。これでいくらか「アジアで開催される大会」らしくはなっただろうか。もっとも、ニッポンは勝点3を得ただけで、まだなにも決まってはいない。次のコスタリカ戦では、これまでの親善試合同様、きっと森保監督はドイツ戦の控え組中心のメンバーを出してくるのだろう。キーパーすら変えるのでは。

ドイツ 1-2 ニッポン
娯楽度 ★★★★★
伝説度 ★★★★★