December 9, 2022

パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルのハイドン

オペラシティ クリスマスモード
●ワールドカップはラウンド16と準々決勝の間に2日間のお休みが入る。さすがのカタール大会もこの休養日をカットすることはできなかったか。
●で、8日は東京オペラシティでパーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィル。二日続けての公演で初日はオール・ハイドン・プログラム。前半に交響曲第102番、交響曲第96番「奇跡」、後半に交響曲第104番「ロンドン」。自分史上最強に強まったハイドンを聴いたという充実感。キレッキレで、明るくてカラフル。隅から隅までピントがぴたりと合っているような気持ちよさ。第102番はベートーヴェンを先取りするかのような屈指の傑作だと思うが、推進力豊かでパワフル。「奇跡」はユーモアの要素が際立っていた。自然と笑みが漏れるハイドン。管楽器の達者な名人芸も楽しい。「ロンドン」は一段と高揚感にあふれ、遊び心もたっぷり。これだけエキサイティングで壮麗なハイドンを聴いてしまうと、並の演奏が色褪せてしまいそう。
●パーヴォはN響首席指揮者時代にたくさん聴く機会があったわけだけど、なんだかもう懐かしい気持ちになってしまう。このビシッとビートを打ち込む感とか。
●アンコールは知らない曲だったが、レオ・ヴェイネルのディヴェルティメント第1番より第1楽章。カーテンコールをくりかえした後、意外と早く拍手が弱まったが、それでも場内に残った人たちの拍手が続いて、パーヴォのソロ・カーテンコールに。パーヴォは空のステージに向かってオーケストラを称えるしぐさを見せてくれた。