December 11, 2022

モロッコvsポルトガル イベリア半島制圧 ワールドカップ2022 準々決勝

モロッコ●ワールドカップ準々決勝二日目、スペインをPK戦の末に制したモロッコは、今度はポルトガルと対戦。ジブラルタル海峡を渡りイベリア半島へと進撃するモロッコ。スペイン戦と同様、相手にボールを持たせて、堅い守備を武器にカウンターをくりだす試合展開に。ポルトガルは前の試合に続いてクリスティアーノ・ロナウドがベンチ。前のスイス戦で代役の若いゴンサロ・ラモスがハットトリックの大爆発を見せたのだから、勢いのある若手をそのまま先発させるのはフェルナンド・サントス監督ならずとも自然な考え方だろう。
●ポルトガルは技術が高く、スペインよりも攻撃のアイディアが豊富。モロッコのディフェンスをたびたび脅かすが、決めきることができない。押され気味のモロッコだったが、前半42分、左サイドからアティヤットアラーがクロスボールを放り込むと、中央でジャンプしたエンネシリが驚異的に高い打点からヘディングで合わせて先制ゴール。ニッポンが失点した場面にも言えることだが、クロスを入れる選手に対してノープレッシャーだと、本当に中でドンピシャで合ってしまう。この後、ポルトガルはクリスティアーノ・ロナウドらを投入し、惜しいチャンスをなんども作ったが、守ると決めたモロッコは堅い。そのまま1点を守って逃げ切った。モロッコの、そしてアフリカ勢の初のベスト4進出が決まった。ここまで劇的な試合が多かっただけに、この逃げ切りはやや味気ない気もしたが、実際にはワールドカップは先に進むほどこういう試合が増えるのが常か。
●過去21回の歴代ワールドカップを振り返ると、2度の例外を除いて、欧州/アフリカで開催した場合は欧州が優勝し、北中南米/アジアで開催した場合は南米が優勝している(例外は1958年スウェーデン大会のブラジル優勝と2014年ブラジル大会のドイツ優勝)。今回はアジアなので南米優勝の可能性が高いという見方もできるが、カタールがアジアなのはFIFAの分類にすぎないわけで、初めてのアラブ世界での開催とみなせば、アラブの一員であるモロッコこそが優勝にふさわしいのかもしれない。

モロッコ 1-0 ポルトガル
娯楽度 ★★
伝説度 ★★★