January 24, 2023

第31回出光音楽賞受賞者ガラコンサート

●23日は東京オペラシティで第31回出光音楽賞受賞者ガラコンサート。授賞式に続いて、出光音楽賞受賞者の3名が登場し、小林愛実がシューマンのピアノ協奏曲より第1楽章、岡本誠司がバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番より第1楽章、チェロの上野通明がドヴォルザークの「森の静けさ」とチャイコフスキーの「ペッツォ・カプリチオーソ」(カプリッチョ風小品)を演奏してくれた。共演は川瀬賢太郎指揮東京フィル。
●3人それぞれさすがの演奏だったが、特に印象に残ったのは岡本誠司のバルトーク。この曲、傑作として名高いわりに演奏頻度は低く、生演奏で聴く機会は貴重。こういった受賞記念演奏会で取り上げられるのはかなり意外だが、こういう機会だからこそやりたい曲を選んだということか。指揮者にとっても初めて振る曲で、お正月を返上して取り組んだというだけあって、聴きごたえ大。こうしてライブで聴いてみるとぜんぜん晦渋な曲ではなく、思ったよりユーモアの要素を感じる。あと、楽想的にもオーケストラと対抗するという意味でも線の細いソリストだと苦労しそうだが、しっかりと芯のある音が2階席まで届いていた。第1楽章だけではなく続きも聴きたくなる。
●以前は観覧車を募集して開催していた同コンサートだが、今回はコロナ禍により関係者のみを客席に入れての開催。それでもけっこうな人数が入っていた。公演の模様は「題名のない音楽会」(2月18日 テレビ朝日)で放送予定。