●先日の「テッド・ラッソ」のついでに、同じApple TV+にある「窓際のスパイ」を見てみた。これはよくできている。イギリスを舞台としたスパイ物の連続ドラマなのだが、ジェームズ・ボンド的な世界とは正反対で、MI5の落ちこぼれスパイたちを描いている。コメディではなく、シリアス。チームを率いるボスは、ゲイリー・オールドマン演ずるジャクソン・ラム。ゲイリー・オールドマンといえばカッコいいけどブチ切れた悪役というイメージだったが、時は経ち、もう年齢相応のよれよれのオッサンになっている。口が悪くて、不潔でだらしないのだが、実は部下思いの切れ者という役どころ。みっともないはずなのに、なんだか得体のしれないカッコよさがあるのが不思議。全体として役者がいい。
●で、観た後に知ったのだが、これはしっかりとした原作があったんすね。ミック・ヘロン著の「窓際のスパイ」がシーズン1になっていて、続編の「死んだライオン」がシーズン2に相当する模様。長篇一冊分を1シリーズに展開するという手は悪くない。ただ、このドラマシリーズ、シーズン1は手際が良いと思ったけど、シーズン2になると「その登場人物が今そこでどういう理由でなにをしようとしているのか」がわかりづらく、ところどころ行動に合理性を欠いているようにも見える。これは原作もそうなのかなあ。ただ、それでも役者の魅力で見せてしまう。あと、元スパイのおじいちゃん役で「未来世紀ブラジル」「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のジョナサン・プライスが出てくるんすよ!
January 27, 2023