●21日は東京国際フォーラムでラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023の記者会見。そう、今年はラ・フォル・ジュルネが4年ぶりに復活するのだ。5月4日から6日まで、「Beethoven―ベートーヴェン」をテーマに開催される。主催はラ・フォル・ジュルネTOKYO 2023運営委員会(三菱地所株式会社/株式会社東京国際フォーラム/株式会社KAJIMOTO)。アーティスティック・ディレクターのルネ・マルタンが来日して記者会見に登場、今年の見どころなどを語ってくれた。
●3日間にわたる開催だが、規模はコンパクトになる。有料公演の会場はホールA、ホールC、ホールD7の三か所で、公演数は50公演(ほかに無料公演も開かれる)。つまり、ホールD7以外の小さな会場の公演がなくなった。したがって公演数はぐっと減っているわけだが、大きなホールでの公演は残っているので、客席数ベースで考えるとそこまで減ってはいないはず。地上広場のキオスクコンサートや屋台村、マスタークラス、講演会なども開催されるということなので、ラ・フォル・ジュルネらしい雰囲気は帰ってくると期待している。0歳児コンサートも健在。出演者陣も含めて、持続可能な形でこの音楽祭らしさを作り出すために知恵が絞られたという印象を受けた。
●すでに有料公演のラインナップは発表されている。テーマがベートーヴェンなのは、パンデミックで失われた2020年のベートーヴェン生誕250年のリベンジでもあり、第1回と同じテーマによるリスタートでもあり、また災禍に打ち勝つというニュアンスを込めた作曲家の選択でもあるのだろう。交響曲や協奏曲の主要作品から室内楽、ピアノ曲、そして後世の音楽家たちによる編曲作品やオマージュ、ジャンルを超えたアーティストたちの登場など、ルネ・マルタン・カラーがしっかり打ち出されている。ざっとプログラムを見て、目立ったアーティスト名を挙げると、ピアノではエル=バシャ、ケフェレック、ペヌティエ、ヌーブルジェ、レミ・ジュニエ、亀井聖矢、福間洸太朗、萩原麻未、広瀬悦子、谷口知聡ら。室内楽は初登場組が多く、ハンソン四重奏団、トリオ・ゼリハ、トリオ・アーノルド他で新鮮。航空運賃の高騰もあって、オーケストラは日本センチュリー、シティ・フィル、東響、神奈川フィルら国内勢で固められている。渋さ知らズ、林英哲と英哲風雲の会も登場する。全体として、ホールCに足を運ぶ機会が増えそうな予感。
February 22, 2023