●31日はサントリーホールで上岡敏之指揮読響。プログラムはシベリウスの交響詩「エン・サガ」、シューマンのピアノ協奏曲(エリソ・ヴィルサラーゼ)、ニールセンの交響曲第5番。指揮者とオーケストラの相性はバッチリ。他の読響指揮者陣とは違ったキャラクターの音が出てくる。鋭いアクセントを伴うくっきりとしたサウンドでありつつ、抒情的な部分はたっぷりと。表現のコントラストが鮮やか。きらびやかな最強奏から繊細な弱音まで、ダイナミクスも十分。ヴィルサラーゼは闊達、貫禄のソロ。
●シベリウスの「エン・サガ」(伝説)は謎の曲。こんなにストレートな曲名が付いているのに、肝心のサガ(サーガ)がなんなのか、明らかにされていないというもどかしさ。曲調からすると、きっと具体的な登場人物なり場面なりが曲想と紐づいていると思うんだけど……。
●圧巻はやはりニールセンの交響曲第5番。軍隊調の小太鼓が示すように、この曲は戦争交響曲。時節柄、現実の戦争を意識せざるをえないだろうと覚悟して聴いたけど、むしろ感じ入ったのは圧倒的な壮麗さであり、力強い希望の音楽であるということ。1920年代のモダンさは、今にしてみればレトロフューチャー調のカッコよさ。コーダの輝かしさは尋常ではない。こういう快演を聴くと、この曲がもっと演奏されないのが不思議になってくるけど、オーケストラの高機能性は大前提か。終演後、上岡敏之のソロカーテンコールとスタンディングオベーション。
●おまけ。カール・ニールセンの肖像2点。
●いずれもMicrosoft EdgeのAI画像生成機能Image Creator(DALL-E搭載)作。交響曲第5番に寄った雰囲気のものを描いてもらったつもり。