●さて、びわ湖ホールで沼尻竜典指揮京響を聴いたその夜、せっかく遠方まで来たので、亀岡のサンガスタジアム by KYOCERAまで足を延ばして京都サンガvsアビスパ福岡を観戦することに。今、日本で最高のスタジアムといわれるサンガスタジアム by KYOCERAであるが、まさに評判通りのすばらしさ。ピッチが近い。見やすい。全周屋根あり。機能的でシンプル。バックスタンドの下層階で見たが、もちろん快適。バックスタンド上層階からの眺めも完璧で、サッカーファンが求めるスタジアムはこれだ!といいたくなる。
●おまけにアクセスが最強。亀岡駅の目の前にあるのだ。徒歩3分? っていうか、もう本当に目の前。駅前の広場に屋台がいっぱい出ていて、飲食には困らない感じ(スタジアムの中にもお店はある)。今どき、よくこんなに便利な場所にスタジアムを新設できたなと思うが、ここに至るまでには28年の年月がかかっており、建設地や財源を巡る紆余曲折がさんざんあってようやく実現した模様。偉大なり、亀岡。それにしても球技専用スタジアムに関してはすっかり西高東低で、関西には京都にも大阪にも神戸にも見事なスタジアムがあるのに、東京にはひとつもない。いちばん近くて千葉のフクダ電子アリーナか。
●サンガスタジアム by KYOCERA、コーナーフラッグ上方の客席に注目してほしいのだが、スタンドが斜めに切って配置されていて、全体を見渡しやすい。安価な席にもこういう配慮があるところが、見る人の立場に立ったスタジアムだなって感じる。国立競技場の建て替えのときに思ったけど、「スタジアムの写真」って空から眺めた外観じゃなくて、客席から見た光景であるべきなんすよ。鳥のために作るんじゃないんだから。
●ちなみにこのスタジアム、試合のある日のためだけの建造物にはしないという姿勢があって、付帯施設としてコワーキングスペースや保育園、子どもの遊び場、VR/フィットネスゾーン、3x3バスケットボールコート等々が設けられている。このあたりの発想も今風。
●で、試合だが原大智の2ゴールでリードした京都が、退場者を出しながらも2対0で逃げ切った。スペイン2部アラベスから移籍してきた原大智は191cmの大型フォワード。アラベスでは十分な出場機会を得られていなかったようだが、高さだけではなく足元の技術もあって、ボールを預けられるのが魅力。2ゴールはいずれも頭で。福岡では元代表の井手口陽介が目をひいた。視野が広く、中距離パスが正確で、展開力がある。中田ヒデを思い出す。ボール奪取能力も高い。ただし、安全なプレイを選択しがちで、リードされててひとり多い状況にしてはプレイが淡白なのは気になった。
August 29, 2023