●悔しい話ではあるが、25日、ヴィッセル神戸がクラブ創設29年目で初優勝を果たした。2位で追うマリノスにも可能性は残っていたが、その前日にマリノスがホームでの新潟戦に引き分けてしまったため、この時点で逆転優勝はないとは思っていた。前にも書いたが、マリノスは積極投資で優勝を果たした後の回収局面に入っており、選手層が大幅に薄くなった。それでも最後まで優勝争いに絡めたのだから、むしろ大健闘したと思う。
●神戸は楽天の三木谷会長の巨額投資のおかげで、人件費はぶっちぎりで1位。「バルセロナ化」を掲げ、イニエスタをはじめ、世界的スーパースターのベテラン選手を次々と獲得した。が、昨季などは一流選手をずらりとそろえながら残留争いに巻き込まれたほど。それが今季は様変わり。フィジカル重視で前線からガツガツとプレスをかけるハードワークのフットボールにモデルチェンジして、勝点を積み上げた。なにより、超高額年俸のイニエスタをベンチに追いやった吉田孝行監督の決断力がすごい。強靭さを求めるチームにイニエスタの居場所はない。推定年棒20億円(その前は32億だったとか)のスーパースターを控えにするなんて、並の監督にはできないことだろう。結局、イニエスタは自らチームを去ることになった。最後の試合でベンチに退く際には吉田監督と握手すらせず、対戦相手の札幌のペトロヴィッチ監督と抱擁を交わしていたほど。元マリノスの選手でもあった吉田孝行監督の信念と決断力があって、はじめて人件費にふさわしい結果を手にできたことは忘れないようにしたい(←強引すぎる負け惜しみ)。
●J2の東京ヴェルディがプレーオフでJEF千葉を破り、J1昇格に向けて清水と決勝戦を戦うことになった。来季は久々にJ1でヴェルディの姿を見られるかも。かもん、ヴェルディ。
November 27, 2023