●今月はとてつもない来日オーケストラ・ラッシュでウィーン・フィルとベルリン・フィルが同時に来日していたうえに、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団といったトップオーケストラの公演もあって、すごいことになっていた。こんなに円安なのに来日ラッシュが実現するのは不思議な感じがする。詳しいことは知らないのだが、契約と公演にはタイムラグがあるだろうから、円安が効いてくるのはもう少し先で、今月の来日ラッシュはコロナ禍の反動だったのだろうか。
●ちなみに今日、11月29日、国立競技場でアジア・チャンピオンズ・リーグ(ACL)のヴァンフォーレ甲府vsメルボルン・シティFCが開催される。諸般の事情があり、甲府の試合なのに国立競技場での開催。チケット代はかなり安価に設定されている。そもそも甲府はJ2のチームなのだが、昨季、大番狂わせで天皇杯を制してACLへの出場権を獲得した。たとえ2部リーグのチームであっても勝ち続ければ、国際試合に出場できるし、可能性の上ではアジアのチャンピオンにだってなりうる。フットボールの夢だ。
●ただ、現実には予算のない甲府がアジアの戦いをするのは大変で、ただでさえキツいのに円安で遠征費も膨れ上がっているのだろう。Sportivaの記事によれば、アウェイの試合でビジネスクラスの航空券が買えない。アウェイのメルボルン・シティ戦では、メルボルン往復のビジネス航空券の値段を聞いた瞬間に諦めたという。それでエコノミークラスの団体券を買ったというのだが、一般人の旅行とちがって、試合に出るメンバーを購入時に確定することができない。エコノミーでは搭乗者の変更ができないため、ACLの登録選手の全員分の券を買っておいて、直前に遠征メンバーが決まってから15人分をキャンセル料を払ってキャンセルしたとか。それで豪州の強豪相手に0対0で大善戦して帰ってきたのだ。すごすぎる。
●そんな甲府が国立競技場をホームとしてメルボルンを迎え撃つ。これは現地で観戦すべきでは。甲府の大奮闘に感激したワタシは、もうずっと前からスケジュール帳の11月29日の夜に「国立競技場」と書き入れてあった。だが、予定を書いたのは秋だった。それからあっという間に寒くなった。天気予報の予想気温を見て、やっぱりDAZNでいいじゃないのと思っている軟弱者がここにいる。
November 29, 2023