●2021年のショパン・コンクールの頃だったと思う。定期的に通っている近所の歯医者さんのBGMが、オール・ショパンになった。コンクールをきっかけに、先生がショパンにハマったのだろうか。その後、なんど足を運んでもいつもショパンが静かに流れている。歯を削ったり抜いたりするとなったら、全身硬直するほど緊張度マックスに力むものであるが(ならない?)、そんなときにショパンが流れていると少しは気持ちが休まるとか、そういうことなのであろうか。
●これはだれの演奏なのかとか、先生のお気に入りのピアニストはだれかとか、毎回、あれこれ気になるのだが、普通、歯医者さんで雑談をする余裕はない。そもそもたいていの場面で口を大きく開けているわけで、しゃべったところでモガモガとかしか言えない。先日、歯のクリーニングをしてもらったときも、やはりショパンだった。バラード第4番など。
●今、恐れているのは、ショパンを聴くと条件反射的に歯医者の椅子に座っている気分になるのではないかということ。
December 7, 2023