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December 8, 2023

ニッポン代表、元日のタイ代表戦、中継のなかったW杯予選シリア戦

●ニッポン代表の次の試合は元日、国立競技場でタイ代表戦。なるほどなー、と思った。かつては元日の国立競技場といえば天皇杯の決勝戦。正月に試合をするのはサッカー選手の栄誉だったわけだけど、各種大会のスケジュールの都合から天皇杯決勝が前倒しされるようになった。代わりに代表の親善試合を行うのは妙案。1月中旬から始まるアジア・カップ2024カタール大会に向けたテストとして最適。
●といっても、お正月は代表ウィークではないので、欧州から呼べる選手は限定される。ドイツやフランス、ベルギー、オランダはウィンターブレークがあるので呼べるけど、イングランドやスペイン、ポルトガルは試合があるので呼べず。そこで欧州組とJリーグ組がブレンドされたメンバーに(選手一覧)。FC東京の野澤大志ブランドン、シントトロイデンの伊藤涼太郎が初選出。ほかに名古屋の森下龍矢、藤井陽也、広島の川村拓夢らも。
●ところで11月21日に行われたワールドカップ・アジア2次予選のシリア代表vsニッポンだが、結局、試合を見ていない。放映権でもめて、W杯予選という重要な試合でありながら、テレビ中継もネット中継もなかった。サウジアラビアでの中立地開催になり、結果はシリア0対5ニッポン。ゴールは久保、上田、上田、菅原由勢、細谷。報道によれば、放映権を持つUAEの代理店が億単位の金額をふっかけてきたところ、日本のテレビ局はどこも手を挙げず、ようやく試合直前になって金額を下げてきたものの、もはや実務的に間に合わず中継が実現しなかったということらしい。当初、日本時間で真夜中の試合だったが、先方は試合開始時刻を繰り上げて日本時間で23:45キックオフに変更したのに、それでも放映権は売れなかった。それはそうだろう、開始時刻を早めたところで平日の深夜だし、なにより金額設定が無茶苦茶なのだから。結局、UAEの代理店は放映権を売れず、日本のファンは試合を見れなかった。Win-Winではなく、Lose-Loseの決着。
●まあ、結果が大勝だったから言えるのだが、これでよかったのだろう。大事な試合だからどんなに高くても買わざるを得ないとなったら、金額は青天井になる。相場を無視すると交渉が決裂するという前例ができたのはいいこと。でも、もしこれが最終予選だったら? 場合によっては、それでも「買わない」という選択がありうるかもしれない。じゃあ、これがワールドカップ本大会だったら? 1998年フランス大会の放映権は6億円だったが、22年カタール大会は350億円だったとか。放映権が高騰して買えなくなったときが、サッカー人気の凋落の始まりだろう。

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