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December 25, 2023

出口大地指揮東京フィルのベートーヴェン「第九」

●22日は東京オペラシティで出口大地指揮東フィルの「第九」。3公演ある「第九」の初日だが、チケットは全公演完売。客席には若者の姿も多数。「第九」一曲のみではなく、最初にベートーヴェンの「献堂式」序曲を演奏して、休憩を挟んで「第九」を演奏する方式。
●2021年ハチャトゥリアン国際コンクールで第1位を獲得した出口大地は、東フィル定期に大抜擢されるなど、めきめきと活躍の場を広げる若手。ドナルド・ラニクルズやパーヴォ・ベルグルンドと同様、左手に指揮棒を持つ異色の指揮者。このコンビは東フィル定期、サマーミューザでも聴いているので(「題名のない音楽会」にもなんども出演)、もう指揮姿に驚くことはないけど、やっぱり不思議な感じはする。「第九」は一言でいえば明快。そしてキレがある。明るくくっきりした見通しのよいサウンドで、ぐいぐいと前に進む。バランスがよく爽快な「第九」で、深遠ぶらず、ストレート。声楽陣はソプラノに光岡暁恵、アルトに中島郁子、テノールに清水徹太郎、バリトンに上江隼人、そして新国立劇場合唱団で万全。合唱団は約60名ほどの編成。
●そういえば最近、「第九」の合唱はだいたい新国立劇場合唱団だなと思ったら、今年は東フィルのほか、N響、読響、都響が新国立劇場合唱団だった。24日の午後はこの4団体の「第九」が重なる離れ技で、八面六臂というか四面八臂の活躍ぶり。

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