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January 9, 2024

濱田芳通とアントネッロのモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」

●5日は川口総合文化センター・リリアの音楽ホールへ。今年最初の演奏会は、濱田芳通&アントネッロのモンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」。元日から能登半島地震があり、今のざわざわとした気持ちに寄り添うのはウィンナワルツよりもこちらだろう、1610年刊というとてつもなく古い音楽ではあっても。
●この曲の冒頭くらい、これからなにかとてもないものが始まるぞ!っていうワクワク感にあふれた音楽もない。清澄かつ壮麗。多様な音楽が次々と繰り出され、フレッシュで推進力がある。底流にあるのはじわりと熱いパッション。濱田は指揮棒を用いてアンサンブルを率い、ときにはリコーダーを吹きながら作品に命を吹き込む。最後の部分で豊麗な7声のマニフィカトが置かれ、その後でアンティフォナで粛然と終わるのがとてもよかった。客席は大盛況。
●知らなかったのだが、川口総合文化センター・リリアは大規模改修にともなって3月から約2年間、休館となるそう。改修後は新たに建設される美術館と一体となるそうなので、足を運ぶ機会が増えるかもしれない(参照:埼玉新聞)。