●SOMPO美術館で開催中の「ゴッホと静物画ー伝統から革新へ」。まもなく閉幕するのだが、先週、ようやく足を運べた。昨年10月17日から今年1月21日までの長期にわたる開催だが、それでも大人気。平日の午後、ネット上で予約して行ったのだが(時間帯を予約する)、コインロッカーの空きがひとつもないという大誤算。さすがゴッホというべきか。しょうがないのでコートを着たまま、荷物を持って鑑賞することに。うむむ。
●大人気の「アイリス」(1890/ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム)。今回の目玉で、隣に並んだ「ひまわり」とともに人が密集。
●こちらはこの美術館の所蔵品である「ひまわり」(1888)。この一枚は常設展示されていて、どんな企画であっても最後に「ひまわり」を見ることになるのだが、作品保護のためなのか、ふだんはガラスケースの奥に薄暗く見えるだけで、ひまわりらしい鮮やかさや明るさがまったく感じられない。これまで何度も目にしてきたが、今回、普通に展示されていたおかげで、はじめて「ひまわり」を目にした気分。これだけでも来た甲斐があったかも。
●なぜかぐっと来る一枚、「靴」(1886/ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム)。相当に履き古した靴で、愛着を感じる……と思ったら、ゴッホは蚤の市で古靴を買って、雨の日に履いて回って泥だらけにして描いたのだとか。なんとなく、自分の靴みたいな感じがしたんすよねー。
●これも静物画のテーマとしておもしろいと思った、「三冊の小説」(1887/ファン・ゴッホ美術館、アムステルダム)。この3冊がなにかは特定されていて、ジャン・リシュパン「立派な人々」、エドモン・ド・ゴンクール「娘エリーザ」、エミール・ゾラ「ボヌール・テ・ダム百貨店」なのだそう。絵や画家を扱った小説はいくつもあると思うが、小説を本そのものというフィジカルな形で絵にしているのがおもしろい。
●入場時に手荷物検査あり。流行の「環境活動家」による狼藉を警戒してのことなのだろうか。手荷物検査はサッカーの試合とか天覧オペラとかで経験しているが、美術館でも定着するのかも。もっとも、ロッカーが空いていれば、手荷物を持ち込まずに済んだのだが。
January 18, 2024