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January 24, 2024

Apple Music Classicalのプレス発表会

Apple Music Classical プレス発表会 佐渡裕 村治佳織
●22日はApple表参道でApple Music Classicalのプレス発表会。X(旧Twitter)にも書いたが、アンバサダーとして佐渡裕さん、村治佳織さんも参加する華やかな発表会だった。しかも村治さんの生演奏付き。コンサートホールではなんども聴いているが、至近距離で聴ける機会は貴重。
Apple Music Classical 村治佳織
●Apple Music Classicalのスタートは本日24日より。ようやく日本でもこのサービスが開始されて喜んでいる人も多いと思うが、これが従来のApple Musicとどう違っているのかは、いまひとつこの発表会でもメディアの報道でも伝わっていないような気がする。従来サービスとの決定的な違いは「メタデータがクラシック音楽向けに整備されていること」。これに尽きると思った。これまで音楽配信ではクラシックのメタデータはひどい扱われ方をしてきた(唯一ナクソス・ミュージック・ライブラリーを例外として)。「アーティスト」の欄に作曲家や演奏家の名前が混在していたり、そもそも演奏家名が十分入っていなかったり。クラシックでは、曲名だけじゃだれの曲かわからない(ことが多い)。曲がわかっても、だれの演奏かわからなきゃ意味がない。指揮者の名前があるのにオーケストラの名前がない(あるいはその逆)等々。メタデータがメタメタなので、検索機能がまともに働かないという大きなストレスがあった。しかし、Apple Music Classicalでは、作曲家名、作品名、調、作品番号、演奏者名などがちゃんと区分されて扱われている。本来なら配信サービスの開始とともに整備されているべきものが、ようやく整備されたという意味で、ついにクラシックも第一歩を踏み出した、それくらいのことは言っていいと思う。
●この発表会では、メタデータの話はほんの少しだけで、主にクラシック音楽の楽しみ方など全体的な話が中心。質疑応答も佐渡さんと村治さんが答えるという形だったため、たとえば日本語化がどれだけできているのかとか、ウィーン・フィル等の定期公演を独占的に配信するといった話題について、突っ込んだ質問をするチャンスがなかった。
●Apple Musicの利用者は追加費用なしでApple Music Classicalを利用できる。オーディオ品質が最大24ビット/192kHzのロスレスオーディオ。基本的にCDクォリティ以上という理解。一部音源はドルビーアトモス対応。ただ、プラットフォームは「iOS 15.4以降を搭載したiPhone、iPadOS 15.4以降を搭載したiPad、およびAndroid 9.0(Pie)以降を搭載したAndroidスマートフォン」ということなので、スマホ前提なんすよね。ウチのようにWindows PCからDAC経由でオーディオ装置に出力する形の環境だと、どういう使い方が考えられるのかな……。スマホからダイレクトにイヤホンで聴く人は悩まずに使えばいいけど。
●プレス発表会の作法がいろいろとクラシック音楽業界とは違っていて新鮮な感じ。いかにもAppleらしい、今っぽくてシャレた感じのプレゼンテーション。紙資料等の配布物が一切ない。
●プレス発表会がお昼頃だったので、いったん帰宅し、夜はサントリーホールで尾高忠明指揮大阪フィルのブルックナーを聴いた。その話題はまた明日に(←シェエラザードかっ!)。