●アジアカップ、グループリーグを2位で通過したニッポンは、決勝トーナメント1回戦でバーレーンと対決。なんと、決勝トーナメントに入ったのにテレビ中継なし、DAZNの配信のみ。勝ち進めば次から地上波の中継があるらしいが、ここで負けてしまうと、テレビ視聴者にとっては今回のアジアカップはなかったようなもの。ワールドカップに次ぐ重要な大会がこれでは……。
●当初、対戦相手は韓国と予想されたが、韓国がマレーシアと引き分ける番狂わせがあり、相手がバーレーンに。会場が圧倒的なアウェイの雰囲気になるかと思いきや、そこまででもなかったような? それよりアジアの戦いならではの主審のジャッジに閉口したが(バーレーンの選手と日本の選手に対するファウルの基準が違いすぎる)、決定的な場面だけはVARで明らかになるのは救い。ニッポンのメンバーはほぼ前の試合と同じで、GK:鈴木彩艶-DF:毎熊、板倉、冨安、中山雄太-MF:遠藤航、旗手(→守田)-堂安(→町田)、久保(→南野)、中村敬斗(→三笘)-FW:上田綺世(→浅野)。
●開始早々が肝心と思っていたが、バーレーンが思ったほどアグレッシブに来ない。チェコの1部リーグでプレイする194cmの長身フォワード、アブドゥラ・ユスフは脅威。意外と落ち着いたペースで試合が進み、前半32分、毎熊がとんでもなく強烈なミドルシュート、これがポストに当たってこぼれたところを堂安が落ち着いてゴールに流し込んで先制。毎熊、ここまでパンチ力のある選手だったとは。前半に旗手が負傷退場したのは誤算。
●後半4分、久保が敵陣でボールを奪ってショートカウンター、味方選手との連携があわなかったが、相手ディフェンダーが触ったボールがゴール前の久保にこぼれて、これをゴールへ。審判の判定はオフサイドだったが、VARで見るとオマーン選手が触ったボールを久保が拾っているので、久保のポジションは問題にならない。これでニッポンは2点目。VARがなかったらオフサイドで終わっていたはず。その後、後半18分に日本はゴール前で鈴木彩艶が味方と交錯して、こぼれたボールがゴールに入ってオウンゴールで失点。この場面の直前に、鈴木がキャッチできそうなボールをパンチングで弾いてピンチが広がったこともあって、またも物議を醸しそうなプレイ。鈴木は好プレイもあるのだが、今大会、判断が裏目に出る場面が続いている。その後、後半27分に上田がゴール前で反転して強引にシュートに持ち込んで3点目。バーレーンは終盤に疲れて足が止まってしまった。バーレーン 1対3 ニッポン。
●結果も内容もよかったが、バーレーンが精彩を欠いたというべきか。上田がいい。ゴール前での反転力、そしてシュートのパワーがほかの選手にない武器。中村敬斗もあいかわらずすばらしいのだが、怪我から復調した三笘に交代すると、左サイドは三笘の無双状態に。左サイドのポジション争いはハイレベルすぎる。久保も異次元のうまさ。中盤のキープレーヤー遠藤航は出ずっぱりだが、ひやりとする場面も。次は中二日なのでどうするか。終盤、ビッグチャンスに浅野のシュートが決まらない。後半途中で堂安が町田と交代したのは、相手が2トップに変えてきたのに対応して3バックに変えるため。
●次戦の相手はシリアをPK戦で下したイラン。最強国と思しきイランもシリア相手に苦戦しているわけで、中東の間でも力の差が縮まっているのかも。別の山ではサウジアラビアがPK戦で韓国に敗れた。
February 1, 2024