●今さらながら振り返っておくが、アジアカップ決勝は大方の予想通り、開催国カタールがヨルダンを下して連覇を成し遂げた。カタール 3-1 ヨルダン。スコアだけを見たら「ああ、順当な結果だね」でおしまいだが、中身はそうでもない。なにしろカタールの3ゴールはすべてPK。アフィフがPKだけでハットトリックを達成した。そんな形で開催国が優勝してしまうとは。なんとも白けた決勝戦になってしまった。後半はヨルダンが攻め込んで優勢だったのだが。
●もちろんVARはあった。が、3回のPKの判定はかなり微妙だ。1回目のPKは、倒れたアフィフにシミュレーションでイエローカードが出てもおかしくない。2回目は肉眼ならPKは出ないだろうが、VARを厳密に適用すればPKになるかもしれない(でも故意にもらいに行っただけと判断されても納得できる)。3回目はファウルの場面以前にオフサイドがあったと思うし、ファウルの場面もアフィフがキーパーに自ら突進して倒れただけのように見える。この日の主審の判定を基準とするなら、サッカーはゴールを目指すよりもペナルティエリア内でより多く倒れるほうが優位な競技として再定義されそうだ。どんどんアジアの競技水準は上がっているけど、変わらないところは変わらない。
●われわれは追いついているのか、置き去りにされているのか。それがよくわからなくなった大会だった。
February 15, 2024